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今回第三者割当増資を通じて2.5億円の資金を調達したBiPSEE社は、2017年に心療内科医によって設立された、VR技術と医学的エビデンスに基づいた精神疾患治療向けの
「VRデジタル治療薬」
の研究開発から製造販売まで行うMedTechスタートアップ企業です。
今回の第三者割当増資は、
・Beyond Next Ventures株式会社(Beyond Next Ventures2号投資事業有限責任組合)
・ANRI株式会社(ANRI4号投資事業有限責任組合)
・Scrum Ventures(Scrum Ventures Fund IV L.P.)
の3社を引受先として実施されており、同社は資金を基に、うつ病患者向けのVRデジタル治療薬の開発と臨床試験を更に進め、VRデジタル治療の実現を目指していくとしています。
また今回の第三者割当増資にあたり、引受先各社からのコメントが公開されています。
心療内科医でもある松村CEOの原体験からはじまった本事業は、うつ病をはじめとする精神疾患に悩む多くの患者を救う可能性がある新たな治療方法です。
精神疾患は癌などの治療薬とは異なり、習慣化した思考や行動などにも焦点を当てた治療が求められるなか、VRの活用が期待されております。
医師起業家率いるバランスの取れた経営陣が取り組む「医療×VR」という構想を、私たちも強く推進して参ります。
デジタル治療薬はアメリカでは既に注意欠陥多動性障害(ADHD)などの神経疾患領域で製品開発・実用化が進んでいます。
一方、うつ病は日本でも患者数が増加傾向にあるものの、抗うつ薬や認知行動療法などの既存の治療法では不十分な点もあり、大きな社会課題となっている領域です。
それに対してBiPSEEは心療内科医の松村CEOをはじめとした強固な経営陣で構成されており、VRを活用して治療に取り組むというユニークな取り組みですので、共にこの社会課題を解決して参りたいと思います。
日々の生活におけるストレスやそれが引き起こす精神疾患に対する社会的な理解が少しずつ進む一方、実際の治療法には長らくブレイクスルーが起こっていません。
VRを心療内科領域に持ち込むという画期的なアイデアと松村さんたちの目指すビジョンが志ある仲間を集め、これからの社会をさらに生きやすい場所に変えていってくれることを期待しています!
BiPSEE社が開発している「VRデジタル治療薬」は、スマホアプリやVRなどデジタルツールを用いて疾患を治療する”プログラム医療機器”の一種として開発が続けられており、従来の医薬品や医療機器とは違って、VRを用いることで患者の心理に対して働きかける治療アプローチを通じ、これまで治療しきれなかった多くの疾患を治すことができる可能性を持った革新的な治療ツールです。
数ある症状の中でも精神疾患は、他の疾病と比べて薬物療法などの治療法のみでは奏功しにくい領域とされており、新しい治療方法が求められている分野で、そういったところでの治療効果が期待されています。
BiPSEE社では現在、ネガティブな感情や事柄に対して繰り返し考えてしまう「反すう」という症状に着目しているということで、このうつ病をはじめとする疾患横断的な症状は”増悪”の要因ともなっていることが分かっています。
「VRデジタル治療薬」はVR空間での没入やインタラクションによって、反すうを抑制するために必要な自己肯定感を醸成することを可能としており、現在は反すうを抱えるうつ病患者向けのVRデジタル治療薬について、高知大学医学部と共同研究・臨床試験を進めています。
この治療ツールは従来の治療方法と比べて、
・患者の能動的な治療への参加を実現する
・メンタル領域において世界中いつでも・どこからでも均一に質の高い医療サービスへのアクセスが可能
・医薬品や医療機器と比べて、極めて高い費用対効果を実現できる
といったところが革新的で、こうした特徴を持つVRデジタル治療薬の普及を実現することにより、高騰する医療費や医療格差問題など日本が抱える医療課題に対するソリューションを生み出し、世界的にも黎明期であるプログラム医療機器分野において世界をリードすることが期待されています。
VRデジタル治療薬の開発研究をしているBiPSEE社が今回、プレシリーズAでBeyond Next Venturesなど3社から2.5億円の資金調達を実施しました。
同社はこの資金を基に、さらなるVRプロダクト開発や臨床試験に注力していくとしています。
従来とは違って心理的なものから来る症状に効果が期待されるVRデジタル治療薬ですが、実用化されればさらなる医療の発展にも繋がるかもしれませんね。
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