ARによって、これまでのオンラインショッピングが大きく変わろうとしています。


中国の大手eコマース企業であるアリババは、ARによって購入前に様々な商品を試すことができるサービスを開発中です。








ARで気になる商品を手軽に試せる

アリババが現在開発中のARショッピングサービスは「Taobao Buy」という名前です。


これはオンラインでのショッピング時に、欲しい商品や気になる商品を実物大でAR表示できるというもので、サイズや形、部屋との相性などを手軽に確認することができます。


ネットで買い物をして、いざ商品が自宅に届いてみると、


「なんか思っていたのと違う・・・」


という経験はありますよね。


ここにARを取り入れることで、商品の大きさや配置した時の様子などを購入前に確認できるので、オンライン上での買い物がより確実なものになります。


マイクロソフトHoloLensを用いた体験


この「Taobao Buy」は、マイクロソフトのMRデバイス「HoloLens」で体験できます。


HoloLensは30万円以上もする高額なデバイスですが、アリババは杭州市西湖沿いにある風光明媚な地区に専用の施設を設け、そこで「Taobao Buy」が体験できるとのことです。


現在、HoloLensはもっぱらB2B、もしくは開発者を対象に流通していますが、このような装着型のARデバイスはやがて「毎日使うデバイスになる」とアリババは考えています。


将来的には一般的なユーザーがARデバイスを用いて、家の中でも「Taobao Buy」のようなサービス利用できるという青写真を描いています。


ARデバイスをオンラインショッピングに活用する取り組みは中国以外でも行われており、2018年8月8日(水)には米国の家具・インテリア通販企業のWayfairがMagic Leapと業務提携を結んでいます。


Magic LeapはARデバイス「Magic Leap One」を発売中ですが、同デバイスを用いて様々な製品の外観やサイズを確認できます。


あらゆる商品をホログラム表示して確認できる


「Taobao Buy」では、オンラインストアで販売している商品を3Dのホログラムとして、ユーザーがいる場所に表示します。


お皿や家具を始め、様々な商品を実寸大表示できるので、買おうとしている商品が納得できるものかどうか、しっかり確かめてから購入に進めます。


また、簡単に操作できる点もメリットです。HoloLensのジェスチャー操作機能によって、選んだ商品のホログラムを動かしたり配置したりできる他、もし商品が気に入らなければスワイプ1つで非表示にして、他の商品を探すことができます。


商品の外観を確認できるだけでなく、商品の詳細なデータやユーザーの評価、コメントなども併せて表示できるので、これまでのオンラインショッピングの質の飛躍的な向上が見込めます。


「Taobao Buy」は2018年後半のリリースを予定しており、杭州市にて開催されるCreativity Festivalにおいて正式に発表される予定です。










ARを購買体験に積極的に導入するアリババ

アリババはロボットや人工知能など、先端テクノロジーを取り入れたサービス展開を行っていますが、ARの導入にも積極的な姿勢を見せています。


2017年にはスターバックスと協働して、上海にある「Starbucks Reserve Roastery」にてAR体験を取り入れたサービスを提供開始しています。


これはスマートフォンを用いて、コーヒーの栽培から焙煎に至るまで、コーヒーが出来上がるまでの過程をARで楽しめるというもので、ARによって従来のスターバックスでの体験を大きく変えるものです。



ARを購買体験に活用する事例

今回登場した「Taobao Buy」の他にも、ARを購買体験に活用している企業は複数あり、いくつかご紹介します。


アマゾン公式アプリのAR機能


アマゾンがリリースする公式アプリにはAR機能が実装されており、アマゾンで購入できる様々な商品をAR表示できます。


家具から装飾品、電化製品、キッチン用品や玩具、ゲームなど様々な商品が対象となっており、スマホを用いて自宅でも様々な商品をARで確認できます。


スマホのAR機能(ARKitやARCore)によって、カメラを通して床や部屋の大きさをスキャン、様々なアイテムが実際にそこにあるかのように表示されるので、購入前のイメージを掴みやすくなります。


また、気に入った商品は写真を撮ったり、そのまま購入画面に進むこともできます。


参考:アマゾンアプリにAR機能が追加、400種類以上の商品をARで閲覧可能に


「バーチャル店員」が来客をエスコート?!


また、ドイツの大手家電量販店Saturnは、マイクロソフトHoloLensを用いたユニークな購買体験を試験的に提供しています。


これは「HoloTour」という名の実店舗向けのサービスで、デバイスを装着すると「ポーラ」という名のバーチャル店員が現れ、来客をエスコートしたり商品の説明をしてくれます。


サムスンのスマートフォンやマイクロソフトのSurfaceタブレット、ダイソンの掃除機など様々な商品のスペックや特徴について教えてくれる他、記念撮影にも応じてくれるとのこと。


日本やアジアではバーチャルユーチューバーが大流行していますが、好きなバーチャルキャラクターが接客してくれると、単なる買い物がより一層楽しい体験になりますね。


参考:ホログラムの「バーチャル店員」が来客をエスコートするサービスが登場


まとめ

オンラインで買い物をするとき、服や家具などサイズが重要になるものって、中々購入に踏み切れなかったりしますよね。


「サイズは本当にこれで大丈夫か?」「もしイメージしていたものと違っていたら返品できるだろうか?」などあらぬ心配をしてしまいます。


ですが、ARで事前に確認できれば「買い間違い」のリスクを減らせる他、実際にそこにあるかのようにAR表示できるので部屋との相性も確かめやすいです。


HoloLensやMagic Leap OneなどのARデバイスの普及とともに、オンラインのショッピング体験も大きく変化していきそうです。今後に注目です。


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 欲しいものをARで確認!アリババがARを用いた通販サービスを開発中!