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2016年のアメリカAR市場で最も多額の投資を受けた企業であり、今年の10月にはこれまでの資金調達総額が2,221億円(20億ドル)を超えたことが伝えられたMagic Leap。まだ発表されていないMagic Leap初めての製品の名称は「Magic Leap One」となりそうだ。
Magic Leap初めての製品となるARグラスの名称は、11月6日にアメリカの特許商標庁に対して商標として提出された書類からMagic Leap Oneとされている。さらに、合わせて『Magic Leap Monster Battle』という商標も提出されているようだ。
その名前から、Monster BattleはARグラスでプレイするARゲームなのではないかと思われる。2013年以来商標の提出と取り下げを繰り返されてきたものだが、おそらくスマートグラスと同時リリースされるARゲーム(または何らかのアプリケーション)になるだろう。
Magic Leap Oneという名称は、今回始めて出てきたものではない。書類上で確認されたことでそれが正式名称である可能性が高まったが、初めて「One」の名前が挙がったのは昨年の末だ。Magic Leap広報担当者のコメントの中で、「Magic Leap Oneのローンチに向けて…」と言及されていた。
Magic Leap Oneという名称になると思われるMagic LeapのARグラス。その発売時期についてはっきりしたことは分かっていないが、9月の半ばには半年以内に発売というニュースがあった。このときの計画通りに開発が進んでいれば、数量限定ながら来年の春までに製品の出荷が始まるはずだ。
製品の価格は16万円から22万円程度、大きさはメガネより大きくVRヘッドセットよりも小さい程度とされている。ただし、これは匿名の人物をソースとする非公式な情報だ。
各種スペックについて公式の発表は行われていないが、9月27日にはMagic Leapのウェブサイトがリニューアルされている。リニューアル直後に製品の発表が行われることはなかったが、情報を表に出すことが少ないMagic Leapに久々の動きが見られたことで注目が集まっている。
リニューアルされたサイトのキャリアページでは非常に多くの職種が募集されており、製品のリリースに向けて企業規模の拡大を進めているのではないかとも考えられている。
インターネット上で公開された動画のインパクトで一気に知名度を高めたMagic Leapは、その製品がどういったものになるのかについて秘密主義を貫いている。しかし、どうやら投資家に対しては効果的なプレゼンテーションを行っているようだ。
2016年、Magic LeapはHoloLensに似た安価なARヘッドセットMeta 2を開発するMeta社などのライバルと比べても圧倒的に多くの投資を受けている。Greenlightの調査によれば、Magic Leapが2016年に獲得した金額は約880億円で、Metaの16倍に近い。
投資家だけでなく、アプリのデベロッパーからもMagic Leapは注目されている。ポケモンGOを開発したNianticのCEOも、Magic Leapデバイス向けにアプリを開発する可能性について言及したことがある。
VR業界ではスマートフォンを使うモバイルVRだけでなくHTC ViveやOculus Riftといった専用のVRヘッドセットが人気となっているが、ARの分野ではまだ業界をリードするような専用ハードウェアが登場していない。業務用のスマートグラスやマイクロソフトのMRヘッドセットHoloLensはあるものの、ARの主流となっているのはスマートフォンのARアプリだ。
スマートフォンを使うモバイルARも進化している。ARKitやARCoreを使うことで、スマートフォンのカメラを使って物体との距離を測定することも可能になっているのだ。しかし、体験できる内容はスマートフォンの限られたスペックに制限されてしまう。
Magic Leap Oneの価格は、これまでの情報が正しければHoloLensの半額~3分の2程度だ。デモンストレーション用の動画で公開されているような質の高い体験が可能であれば、ARハードウェアの標準となることも考えられるデバイスである。
参照元サイト:Road To VR
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