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昨年の夏に世界的なブームを巻き起こしたスマートフォン用ARゲーム、ポケモンGOを開発したNianticが今度はハリーポッターのARゲームを開発しているという。新作『Harry Potter: Wizards Unite』に関しては発表時に公開された以上の情報がなく、ゲーム内容やリリース時期(2018年リリース予定とされている)の詳細も不明なままだ。
しかし、ファン層は異なるとしてもポケモンと同様に人気のあるハリーポッターのゲーム化ということで既に期待は高い。Nianticは、この新作のリリースに向けて2.2兆円(2億ドル)もの資金を調達するという。
大きな市場になることが予測されている視覚化技術の世界では、有望なスタートアップ企業に対して数億円単位の資金を投じて投資や買収が行われることも珍しくない。しかし、1兆円という単位を見ることはめったにない。この金額はNianticがそれだけこの作品に力を入れているということを示すと同時に、大きな成功の可能性を感じている投資家が多いということでもある。
原作小説やその映画化作品が日本を含む世界中でヒット作となったハリーポッターシリーズ。これまでにも同作の世界を体験できるゲーム化作品は作られてきた。その最新のゲーム化タイトルとなるのが、Nianticが開発中のHarry Potter: Wizards Uniteだ。
最大の魅力は、プレイヤー自身が魔法使いとしてハリーポッターの世界に入り込むような体験ができることだろう。過去にハリーポッターをゲーム化したタイトルでは原作に登場する主人公ハリーや仲間たちをプレイヤーが操作していたが、Harry Potter: Wizards Uniteではプレイヤーが主人公だ。
その体験を構築するために役立つのが、ポケモンGOや『Ingress』の開発で培われた経験だ。Nianticはスマートフォンの位置情報を活用してプレイするこれらのARゲームを開発しており、Harry Potter: Wizards Uniteもその系譜に連なる作品になると思われる。
どういった設定になるのかは不明だが、プレイヤーが住む世界に重なる形で魔法生物や他の魔法使いが登場することになるだろう。
Ingressは陣取り、ポケモンGOはキャラクターの育成と戦闘が中心となる作品だった。Harry Potter: Wizards Uniteでは新たな要素が登場するのかもしれない。あるいは、基本システムは維持したまま登場キャラクターや雰囲気を変えることで異なるファン層にアプローチするのだろうか?
ARゲームの代名詞的存在となっているNianticのポケモンGOだが、実はそのAR機能は不完全なものだ。
IngressもポケモンGOもスマートフォンの位置情報を活用して現実を拡張するARゲームではある。しかし、Ingressには現実の映像にCGを合成して表示するような機能がない。ポケモンGOでは設定次第でカメラの映像にポケモンを重ねることができるが、写真のフレームのように単に合成を行うだけのシンプルなものだ。
かつてはGoogle Tango対応の特殊なセンサーを搭載した端末でしか物体を認識した本格的なAR映像を実現できなかったが、ARKitやARCoreといったARプラットフォームを使えば一般的な(ハイエンド)スマートフォンでもAR機能が利用できるようになっている。
Harry Potter: Wizards Uniteのリリースは来年とされているので、対応端末ではこれらのARプラットフォームを活用した本格的なAR体験ができる機能が搭載されるかもしれない。
ポケモンGOのスキンだけを交換したようなゲームであれば、開発コストは小さいはずだ。ここで2.2兆円という大規模な投資を集めるのも、開発コストのかかる複雑な機能を追加するためではないだろうか。
Tech Crunchは、今回発表された資金調達ラウンドへの参加者を伝えている。
ラウンドを主導するのは、Spark Capitalだ。そして、SparkのパートナーであるMegan QuinnがNianticの取締役会に参加することになるという。
Sparkの他に、Founders Fund、Meritech、Javelin Venture Capital、You &Mr. Jones、NetEaseが参加者として伝えられている。
Nianticは元々Google内部で立ち上げられたプロジェクトからスタートした企業だ。Ingressを一部でヒットさせ、Ingressの経験を活かして開発したポケモンGOで一気に知名度を高めた。
今回も人気・知名度ともに高い原作を持つゲームを開発しており、Ingressリリース時とはNianticを取り巻く状況が変わっている。大規模な投資を受けることで開発に充てられる金額も大きくなる一方、売上も大きくする必要がある。
IngressやポケモンGOは基本プレイ無料であり、(少額しか)課金しないプレイヤーも遊びやすいゲームだった。だが、運営スタイルに変化が出るかもしれない。
参照元サイト:Road To VR
参照元サイト:Tech Crunch
ポケモンの次はハリーポッターがARに!Nianticが『Harry Potter: Wizards Unite』を発表 | VR Inside
2016年の夏にポケモンGOで一世を風靡したNianticが仕掛ける次のタイトルは、あのハリーポッターをゲーム化した作品になるようだ。内容や配信時期といった情報はほとんど明かされていないが、 Nianticの公式ブログ でその存在とタイトルが発表された。 新作のタイトルは『Harry Potter: Wizards Unite』だ。現在のところ、邦題は未定となっている。 …
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