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アメリカの老舗セクシードール(もっと分かりやすく表現すれば「ダッチワイフ」)メーカーRealbotixは、20年以上前からAIを実装したセクシードールを開発し続けている。
同社の最新モデルHarmony(トップ画像参照)に、最近新しい機能が実装された。その機能とは、VRヘッドセットから見ることができるVRキャラクターと同期するようになったのだ。つまり、VR空間内のキャラクターが顔を縦か横に動かせば、そのバーチャルな動作に同期してロボットも動き、逆にロボットのほうが腕を挙げれば、VR空間内のキャラクターも腕を挙げる。また、ロボットにはAIが実装されているので、簡単な会話ならば可能だ。
当然ながら、ロボットとVR空間内のキャラクターは、その姿がうりふたつである。
こうしたVRとの同期が実現したHarmonyを使えば、VRテクノロジーにおける最大の難点とも言える触覚的なバーチャル体験をかなりの程度に克服できることになる。というのも、VR空間内で見えているキャラクターとそっくりなロボットが、文字通りリアルに存在し、触ることができるのだから(正確に言えば、このロボットは触ってもらうことを目的として作られている)。
同ロボットに関する触覚のVRシステムは徹底していて、(おそらくはLeap Motionと思われる)ハンド・トラッキングシステムも実装しており、ユーザがロボットに手を伸ばせば、VR空間内でもその動きを見ることができるようになっている。
同ロボットは一体ごとに受注生産しており、ユーザの好みに合わせて会話するAIの性格、ロボットとVRキャラクターの容姿をカスタマイズしている。
Realbotix社のCEOであるMatt McMullen氏によると、よくあるユーザからのオーダーとして「別れた元カノ」にうりふたつなロボットが欲しい、というのがあるという。同社は、その「元カノ」を直接的に3Dスキャンするわけにはいかないので、オーダーを満たしそうなモデルを使ってロボットとVRキャラクターをデザインしている。
同社のロボットのユーザとなれば、生別であれ死別であれ、別れた元カノあるいはパートナーとの時間を再び楽しむことができるだろう。まさに「不滅の愛」の実現である。
もっとも、現在の技術水準ではロボットとVRキャラクターの両方が、いわゆる「不気味の谷」を超えているとは言い難い。AIとの会話も実在のヒトと同じようには行かないだろう。
しかしながら、現在までのテクノロジーの進化スピードを考慮すれば、いずれ「不気味の谷」も超えられ、AIもヒトと区別できないほどの会話能力を習得する日が来ると考えても不思議ではないだろう。
同社のプロダクトおよび同社が実現しようとしている未来に対して、「不道徳」だと非難するヒトは確かにいる。そうした非難に対して、同社CEOは以下のようにコメントしている。
孤独に打ちひしがれ、さみしく過ごしているヒトがたくさんいます。そうしたヒトは働き、家に帰っても迎えてくれるヒトがいません。
わが社のプロダクトは、そうしたヒトたちに違う生き方を提供できるのです。孤独なヒトたちが、もはや一人ではなくなるのです。
VRポルノは、VR市場においてもはや無視しえない業界となっている。本メディアは、こうしたVRポルノ業界の現状と課題に関する記事を掲載してきた。
海外大手VRポルノサイトVR Pornは、同社が調査したVRポルノコンテンツのアクセスに関する統計情報を公式ブログで公開した。
その公開された統計情報によると、海外VRサイト上位50の直近3ヶ月を調査範囲としてアクセス数を調べた結果、50サイト中30がVRポルノサイトであった。
なお、上位50サイトのうちVRポルノサイトではないサイトには、VIVE・Oculus公式サイト、本メディアでも度々参照するVRニュースサイト「Road to VR」「Upload VR」が含まれる。
そして、トップ5は以下のようなサイトである(上の画像参照)。
VRサイト・アクセス数首位はVRポルノサイトVRPorn.comである。2大ハイエンド型VRヘッドセットであるOculusとVIVEはそれぞれ2位と5位であり、上位5サイトのうち3つがVRポルノサイトであることがわかった。
イギリス・ニューカッスル大学のMadeline Balaam氏は、VRポルノがもたらす体験がリアルな日常体験より素晴らしいがゆえに問題がある、という見解を発表した。
同氏は自らの見解を、以下のように説明している。
VRポルノが引き起こすかも知れないいちばんの問題は、「完璧」な性的体験へのドアを開くことにあります。実質的に(バーチャルに)「完璧」な体験をできるならば、誰も「現実」を見なくなるかも知れないのです。
…そして、こうした「完璧」な体験をもたらすであろうVRポルノに対して依存症になる可能性も、私たちの研究は示しています。
VRポルノは、かつてない没入感をもたらすがゆえに、ユーザを引き寄せると同時に問題も生じる。それでも、VRポルノ市場が今後も拡大することだけは、ほぼ確実であろう。
ソース:The NewYork Times
https://www.nytimes.com/2017/10/28/style/virtual-reality-porn.html
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