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そんなプロ野球においても、VR技術の導入が進んでいるのをご存じだろうか?この記事では、試合の中継からトレーニングに至るまで、複数の形態で活用が進むプロ野球のVRについてご紹介したい。
海外ではさまざまなスポーツにおいてVR配信が導入され始めており、野球も例外ではないが、日本のプロ野球においてもVRライブ配信の導入は進んでいる。
プロ野球公式戦初の360度VRライブストリーミング映像の配信実験が行われのは、2016年9月20日に行われたパシフィック・リーグ公式戦「千葉ロッテマリーンズ 対 東北楽天ゴールデンイーグルス」。
球場に設置した360度カメラを用いて試合の模様をリアルタイムエンコードして配信サーバーへアップロード、映像は、球場内の特設ブース内で視聴する形だった。
さらに今年、2017年9月7日にはパシフィックリーグ公式戦「埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズ」で4KVRライブ配信を実施。パ・リーグTV有料登録会員であればスマートフォンで体験できるという形で行われた。
VRの臨場感があれば、たとえ家にいても、球場の雰囲気と一体になった感覚をより強く実感できるので、プロ野球ファンにとって付加価値が高いと言えるだろう。
惜しむらくは、VRゴーグル使用中は、プロ野球と相性ピッタリな生ビールが飲みにくい…。ただ、今後VRライブ配信が当たり前のものになっていけば、スポーツバーが壁面ディスプレイに対応して、360°の壁面を使ったVRライブ配信を楽しめる…なんてものも出てくるかもしれない!?
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VR技術はプロ野球ファンだけでなく、プロ野球選手に対しても恩恵をもたらしてくれる。
中日ドラゴンズは現在、VRシステムの導入を検討中。このVRシステムは既に東北楽天ゴールデンイーグルスや横浜DeNAベイスターズが採用しているもので、選手のトレーニングを目的としたシステムだ。ヘッドマウントディスプレイを使って相手選手の投球をVR映像で再現、バッティングを事前にシミュレーションすることができる。
さらにこのシステムと、ボール軌道トラッキングシステム「トラックマン」とを連動。実際の試合における投手の球をトラッキングしてデータを蓄積、VR映像に用いることで、実際の選手が投げた球と同様の球を体験することが可能となる。つまり、実際の試合で対戦しなくとも、投手との対戦を重ねることができるのだ。
実戦を行わずして実戦に極めて近い経験を積み重ねることができる…まさしくVRの特徴を最大限生かしたシステムといえる。他の球団でも取り入れられ、プロ野球ではこのシステムの活用が当たり前…という時代になったら、他のスポーツにもどんどん広まっていくだろう。
また、このシステムはプロ野球ファンにとってもよい結果をもたらしてくれるに違いない。
…というのも、システムを導入することで、これまでは打者が太刀打ちできなかったような投手への対策が進む。となれば投手側も対策するので、切磋琢磨が進み、結果的にプロ野球選手たちのパフォーマンスが向上し、より素晴らしいプレイを行ってくれるようになるからだ。
先述の相手投手をシミュレートするトレーニングシステムについて、「自分も体験してみたい!」と思った人もいるのでは?
残念ながらまったく同じものを体験することはできないが、プロとの対戦をシミュレートしたVRコンテンツなら存在している。「VR Dream Match」がそれだ。
「VR Dream Match」は、ヘッドマウントディスプレイを装着して、VRによってプロ野球体験ができるというコンテンツ。日本やアメリカの公式試合のデータを基にしているため、VRのもたらす臨場感だけでなく、データ的にもプロと同じ体験が楽しめる。
2017年8月22日~2017年9月6日の期間限定で、JOYSOUND品川港南口店の「VIRTUAL GATE(バーチャルゲート)」にて稼働していたものの、現在は稼働していないため、残念ながら現時点で体験することはできない。
体験したい!と思った人は、今後の稼働情報に注目しておこう。
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VR Dream Match
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プロ野球の配信、プロ選手のトレーニング用途、プロ選手と同じ体験を味わわせてくれる体験型コンテンツ…と、異なる形で活用されるVR技術。
長い歴史を持ち、認知度も高いプロ野球だからこそ、収益化や、システムの普及に繋がっていきそうな期待が持てる。
本記事で紹介した技術はいずれも、他スポーツでも活用できそうなので、ゆくゆくはさまざまなスポーツで、VR技術が取り入れられていくのではないだろうか。
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