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ただ、近年はVR関連デバイスのヒットの陰で、HTCのスマートフォンは勢いを失いつつあった。そんな中、今年の9月にHTCのスマートフォン「Pixel」開発チームをGoogleが買収。
HTCが今後もスマートフォンの開発は継続するが、「Pixel」についてはGoogleからリリースされていくことになる。そして、10月に入って遂に、そんな「Pixel」の最新機種が発表!
最新「Pixel」は、強力なAR機能が光るスマートフォンだった。
Googleから発表された最新「Pixel」は2機種。
5インチディスプレイを持つ「Pixel 2」と、6インチディスプレイを持つ「Pixel 2 XL」だ。この2機種のサイズとバッテリー容量が異なっており、「iPhone8」と「iPhone8 Plus」のような関係と考えると理解しやすい。
また、「iPhone」に近いところとしては、ヘッドフォンジャックが存在せずUSB Type-Cジャックへヘッドフォンを接続する…という仕様が挙げられる。
「Pixel 2」のカラーバリエーションは、「Kinda Blue」「Just Black」「Clearly White」の3色で、「Pixel 2 XL」のカラーバリエーションは「Black&Whit」と「Just Black」の2色。ボディはIP67の防水・防塵機能を備えている。
「Pixel 2」「Pixel 2 XL」の最大の特徴は、なんといってもカメラだろう。評価期間「DxOMark」でこれまでの最高スコアとなる98点を獲得。
機械学習を活用したポートレートモードでは、自動的に被写体と背景を認識し、背景だけをぼかすことによって極めて自然な写真を撮ることが可能だ。ただ、カメラの性能がよい、いい写真が取れる…ということだけが注目ポイントではない。
まず、絵文字やバーチャルキャラクターを表示させながら撮影するARステッカー機能が利用可能になる予定。これは、「snap chat」や「SNOW」などのARカメラアプリとほぼ同様の機能といえる。
そして、最も注目するポイントは「Google Lens」への対応が謳われている点!
「Google Lens」は、カメラを向けたものに関する情報を、画面上に表示してくれるという機能。
たとえば、花にスマホカメラを向けることでその花の名前が表示されたり、観光地の建物にスマホカメラを向けることでその建物の情報が表示されたり…といったことが可能になる。
また、写真に写り込んだ文字をテキスト化できるため、画面に写り込んだ情報をテキストとして検索することも可能に。これぞまさに、ARの本来の意味である「現実を拡張する」が再現された、実用的機能といえる。
「Google Lens」は既に発表されていたものだが、具体的なプロダクトに実装されるのは今回がはじめて。このため、期待せずにはいられない点だ!
「Pixel 2」「Pixel 2 XL」には、カメラ以外にもAR機能が用意されている。Googleが発表したワイヤレスヘッドホン「Pixel Buds」は、「Pixel」と連携することでリアルタイムに40言語の翻訳が可能となる。
ARというと、「Google Lens」のように現実の風景に情報を重ねるというイメージが強いが、「現実を拡張する」という意味からすれば、このリアルタイム翻訳機能もARのひとつ…聴覚を使ったAR機能といえるだろう。
Googleが8月下旬に発表したARのフレームワーク「ARCore」にも「Pixel 2」「Pixel 2 XL」は対応している。
「Pixel 2」「Pixel 2 XL」は、Googleが想定している「ARやAIを使った未来」に対して、まったくスキのない第一歩となりそうだ。
スマートフォンどころかフィーチャーフォン(=ガラケー)すらない時代は、物事ひとつ調べることが大変だった。辞書や百科事典を調べればいいだけの話なのだが、本棚から出していちいち調べる、その動作が億劫なのだ。
しかしPCインターネットで検索ができるようになり、フィーチャーフォン(=ガラケー)で検索できるようになり、スマートフォンで検索できるようになって、物事をべる労力は段違いに減った。
昔の自分よりも「ちょっとしたことでも調べるようになった」という人は少なくないはずだ。つまり、スマートフォンによって人々の行動は確実に変わった。
「Pixel 2」「Pixel 2 XL」が対応する「Google Lens」は、これと同じインパクトを持った機能だと、筆者は思う。カメラをかざすだけで情報がわかる、知らないことも知ることができる。
これまでよりもさらに、ちょっとしたことを調べる…という人は増えるだろう。それが人々に習慣づいた時、ビジネスも変わる。
インターネットが当たり前じゃなかった時、テレビCMでWEBサイトの名前やURLを連呼するのは非常に珍しかったが、今となっては「続きはWEBで」が当たり前だ。
「Google Lens」は映したものの付加情報取得がカンタンにできるため、チラシや広告からワンストップでWEBサイトに誘導したり、問い合わせ機能や購入機能を立ち上げたり…といったことができそうだ。ビジネスを大きく変えるだけの潜在能力を持った端末の登場に、心動かされずにはいられない…!
ただ、ここまで書いておいて恐縮だが、残念ながら「Pixel 2」も「Pixel 2 XL」も、今のところ日本は販売地域としてアナウンスされていない。
これだけの潜在能力を持った端末がまだ触れないなんて、なんとも残念すぎる…!
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