10月5日に開催されたグーグルの新製品発表会では、VR/ARを含む同社の様々な新製品が発表された。グーグルのスマートフォンVR用ヘッドセット「Daydream View」の新モデルが登場したほか、同社の新型スマートフォンである「Pixel 2」シリーズが発表された。


そして、グーグルのARプラットフォームであるARCoreで開発された様々なアプリのデモが展示された。そのうちの一つに、大ヒットMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)である「リーグ・オブ・レジェンド」のゲームプレイをリアルタイムでAR表示するデモが発表された。


概要


グーグルのARプラットフォーム、ARCoreに対応


「リーグ・オブ・レジェンド」のARデモはARCoreを使用して開発されたもので、Android用のソフトウェア開発キット(SDK)を用いて制作されたものだ。


開発には「リーグ・オブ・レジェンド」の開発企業であるRiot Gamesに加えて、Grab Gamesが参加している。同社はこれまでにも複数のVR/ARコンテンツを開発した実績を持っており、VRボクシングゲーム「Knockout League」やシューティングゲーム「John Wick Chronicles」を開発している。


「リーグ・オブ・レジェンド」のリプレイをAR表示



デモでは「リーグ・オブ・レジェンド」のゲームプレイがテーブル上にAR表示され、ユーザーがこれを視聴する様子が披露された。


ゲームの試合のリプレイをAR表示する形でデモが披露され、従来ではあり得なかった方法でのゲームの視聴が可能になった。


eスポーツ観戦の新たな方法


昨今、eスポーツ市場の成長に伴って様々なゲームタイトルの世界規模でのトーナメントが行われており、ゲームをプレイするだけでなく視聴する楽しみ方も確立されつつある。モバイルARを使用したゲームプレイの視聴は、eスポーツの観戦方法に新たな可能性をもたらすものだ。


Grab GamesのCEOであり創設者であるAnthony Borquez氏によると、ARを用いたゲームの観戦は今後様々なタイトルで可能になるとのことだ。


複数のユーザー同士でシェア可能


また、ARを用いたゲーム観戦は複数の人数でシェア可能だ。時や場所を選ばず、手軽に視聴することができる。



スポーツ観戦は複数の人数で観た方が盛り上がるが、ARを用いて多人数でeスポーツ観戦を行う方法も、近い将来普及するかもしれない。


現時点ではデモ段階、今後の開発に期待


今回登場したデモでは、ゲームプレイヤーの位置とマップをARによってリアル空間に重ね合わせて表示するものだ。しかし今後は様々な機能が追加される可能性もある。たとえばゲームプレイのハイライト場面をズームする機能など、視聴者がコンテンツを操作できる機能などが登場する可能性もある。


現在、アップルのARKitを用いたARゲームは複数のタイトルがリリースされているが、ARCoreを用いたARアプリも今後様々なものが登場する。モバイルARゲームは大きな可能性を秘めた市場だと言える。


ARCoreを用いた様々なARアプリデモが登場


「マインクラフト」


現在、ARCoreを用いて開発したアプリのデモが、徐々にではあるが登場し始めている。先日はARCoreを使って、Androidデバイスで「マインクラフト」のワールドをAR表示するデモ動画が公開された。



動画では、PCで表示対象となるマインクラフトの建造物を制作し、その後Androidデバイスに出力して、テーブル上にAR表示する様子を確認することができる。デモ動画ではAndroidデバイスを使用しているが、同じことがiOSデバイスでも可能だ。


開発企業によると、現時点ではPC上のワールドをスマートフォンのディスプレイを通してAR表示する「ビューワー機能」のみが開発されているが、ユーザーがスマートフォンを使ってAR表示された「マインクラフト」のワールドを操作できるようにするとのことだ。


参考:ARKitとARCoreを使ってマインクラフトをスマホでAR表示するデモ動画公開


「The Walking Dead: Our World」



「The Walking Dead: Our World」は、グラフィックノベル(アメコミ)としても、海外ドラマとしても人気を誇る「ウォーキング・デッド」を原作としたARゲームだ。


「ウォーキング・デッド」は、ウォーカーと呼ばれるゾンビで溢れた地球が舞台で、そこで生き延びる人間たちの姿を描いた作品だ。


「The Walking Dead: Our World」は、現実世界にウォーカーをAR表示して、プレイヤーは武器を使ってゾンビと戦うという内容だ。本作はARCore、ARKitの両方を使用して開発されている。


参考:どうなるARビジネス!話題のApple「ARKit」とGoogle「ARCore」コンテンツまとめて紹介


「ARCore Drawing」



「ARCore Drawing」は、ARCoreを使って3D空間に文字や絵を書くシンプルなデモアプリ。3D空間に描いた文字や絵をAR表示することが可能だ。


参考:Google ARCoreを使った5つの実験的ARアプリの動画


参照元:VRScout Google Teases League of Legends AR Experience


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 ARCoreを用いて、人気MOBA「リーグ・オブ・レジェンド」のリプレイをAR表示するデモが登場