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商業施設やホテル、病院などで、ホログラム表示されたコンシェルジュと会話できるシステムが登場した。
本システムはホログラム/AR開発企業であるVNTANA社と、ソフトウェア開発企業であるSatisfi Labs社によって開発されたもので、AI技術とAR技術を融合したホログラムのコンシェルジュサービスだ。
ユーザーはヘッドセットを装着したり、モバイル端末をかざす必要がなく、ディスプレイ表示されたホログラムと、まるで人間のコンシェルジュと会話するような感覚でやり取りすることができる。
本システムでは、ユーザーは人間とやり取りするかのような、スムーズで自然なコミュニケーションによってホログラムとのインタラクションができる。ディスプレイの前に立つと、ホログラム表示されたコンシェルジュが現れ、ユーザーの質問に答えてくれるというものだ。
VNTANA社とSatisfi Labs社はこのホログラムコンシェルジュシステムをeコマース向けのサービスに落とし込み、顧客に様々なオススメを提示することなどに利用できるという。
本システムでは表情認識技術を用いており、ユーザーの態度を検知、トラッキングすることができる。会話内容をトラッキングすることも可能で、顧客の購買履歴などを記録してユーザーの好みや特性などを判断することができる。
また、ユーザーの感情を認識することも可能で、顧客のその時の状況に応じたパーソナライズされたサービスを提供することができる。素行の悪い人物がいれば、システムが店内のスタッフに通報する機能もあるという。
本システムは、9月25日〜29日にかけてニューヨークにて開催されるマーケティング、広告関連のカンファレンスであるAdvertising Weekに出展される。本システムは様々な分野での活用が見込まれており、リテール、スポーツ観戦、病院などでの利用を念頭に置いているという。
たとえば商業施設で本システムを運営する場合、顧客に営業時間やセール情報などを提供することができる。スタジアムでのスポーツ観戦時であれば観客を座席に誘導する際に役に立ち、ホテルであればチェックイン時や、レストランの予約などで本システムを活用することができる。
従来は人間が行なっていたこれらの業務をホログラムのAIコンシェルジュが代替できるので、人間のスタッフは顧客とのコミュニケーションなど、より付加価値が高くコミュニケーション性の高い業務に専念できる。
本システムの開発に携わったVNTANA社は、これまでにも様々な企業と協働してホログラム体験を開発しており、過去にはマイクロソフトやインテル、ナイキ、ペプシ、メルセデス・ベンツ、ABC、AT&T、ユニバーサル・スタジオなどの大手メーカーや企業と協働した実績を持っている。
同社のCEOかつ共同ファウンダーであるAshley Crowder氏は、Satisfi Labs社と共同開発したホログラムコンシェルジュについて以下のように述べている。
一方で、Satisfi Labs社もこれまでに様々なクライアントにAIベースのアプリを提供している。クライアントはMLBをはじめ、SoftBank Robotics、Mall of Americaなどが含まれており、最近では百貨店のメイシーズにカスタマーサービス用のアプリ開発を行なっている。アプリにはIBMのAIである「ワトソン」が用いられているとのことだ。
同社のCEO兼共同ファウンダーのDon White氏は以下のように述べている。
ホログラムというと、以前はSF映画に登場する架空の技術という印象が強かったが、現在ではホログラムは測量やデータ共有、教育など様々な分野にメリットをもたらす技術として注目されており、消費者向けのサービスにおいてもホログラムは役立つ技術だ。
AR表示されたホログラムを用いた消費者サービスは複数の企業や団体で実験的な取り組みが行われており、エンターテイメント施設では実用化もされている。
秋葉原の「スリーモンキーズカフェ秋葉原店」では、スマートフォンで動作するARヘッドセットを用いたスポーツアトラクション「HADO」が展開されている。
プレイヤーはARヘッドセットを装着して、全身を動かすことによって世界初のARスポーツアトラクションを体験できる。
身体の動きに応じてCGがデータ生成され、ホログラム表示されて現実世界に重なり合うので、プレイヤーは実際にエナジーボールを撃っているかのような感覚でプレイできる。
ニュージーランド航空は、マイクロソフトのARデバイスHoloLensを用いて、機内での接客サービスにARを取り入れる実験を行なっている。
客室乗務員が装着するHoloLensには乗客に関する様々な情報が表示される。たとえば乗客のこれまでの食事や飲み物に関するオーダー履歴や、目的地、これまでの搭乗履歴などがAR表示される。
また、表情認識技術を用いて、その乗客が今どのような感情を抱いているかを数値として把握することもできるという。
もちろん、実際の搭乗の際に客室乗務員がHoloLensのような巨大なデバイスを装着していたら乗客は驚いてしまうが、スマートグラスは軽量化、小型化も進んでおり、将来的には客室乗務で十分使うことのできるスマートグラスもそう遠くないうちに開発、提供されるはずだ。
ドイツの家電量販店Saturnは、同社が運営する量販店に「バーチャル店員」を配置するという、実験的な接客サービスを行なっている。
ユーザーはHoloLensを装着して、バーチャル店員「ポーラ」のインストラクションにしたがって、たとえば商品の説明やエスコートなどのサービスを受けることができる。また、記念写真の撮影にも応じてくれるという。
現時点ではまだ実験的な取り組みだが、スマートグラスの性能の向上やAIアシスタントの普及によって、ホログラムの店員やバーチャル上のキャラクターのサポートを受けながら買い物をするという光景は、将来普通のものになるのかもしれない。
参照元:Next Reality This Creepy Holographic AI Concierge Could Be Following You Around Hotels Soon
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