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「Blocker」を使うことで、スマートフォンを通じて現実空間をAR空間として取り込み、空間上に3Dモデルを自在に配置することなどが可能だ。既存のレコーディングアプリと異なりビューファインダーとしてもストーリーボードとしても活用可能で、映像制作の作業効率化に貢献することが予想される。
AfterNowはMRヘッドセット「Hololens」についてマイクロソフトとパートナー提携を結んでいる企業で、これまでにマーベルやディズニーとコンテンツを共同開発してきた実績がある。
過去にはロサンゼルスで開催されたVRS・AR開発者向けカンファレンスであるVRLAにおいて、Hololens向けコンテンツ「Mixed Reality Easter Egg Hunt」を出展したことがある。
Hololensを装着したユーザーがVRLA会場の何処かに隠れたエッグ(卵)を探し出すというコンテンツで、一見して分かる通りエンターテイメント性を重視したコンテンツとなっている。。
しかしこれとは反対に、「Blocker」は実用性の高いアプリとしてデザイン・開発されているようだ。
「Blocker」を使うことによって、映像ディレクターらは実際の映像撮影に入る前の予備テストとして現実空間に3Dオブジェクトを配置し、映像の完成イメージを固めていくことができる。
Blockerにおける大きな特徴の1つが、3Dモデルライブラリ配置時の位置決定、サイズ変更における自由度の高さだ。
男性女性それぞれ用意された人形モデルはもちろん、車などの3Dモデルも空間上に好きに配置して、回転させ、サイズの拡大縮小を自在におこなえる。オブジェクトはリアルスケールでのサイズが自動的に数値として表示されるため、目分量に頼らず、正確に画面を構築していくことが可能だ。
またアプリ内に登録されているカメラプリセットの数は400にも上り、ユーザーは手持ちのカメラを実際に使用した場合の撮影感を確かめることも可能だ。
プリセットに登録されたカメラの種別全てを掲載したリストなどは公表されていないが、上記の動画からはcanonやnikon、panasonic、olympusなど代表的なカメラメーカーのブランド名が確認できる。そのため主に現場で用いられる、主要なカメラの多くに対応していることが予想される。
またカメラの解像度や画面のアスペクト比を指定して変更することも可能となっており、ビューファインダーとしては比較的高スペックな機能を備えているといえるだろう。
加えて、オブジェクトを照らす太陽光もリアルに再現できる「sun simulation」が搭載されている点も特徴だ。
光源の位置を選択することによって、影がどのように伸びるか、またどのような色の影になるか、オブジェクトの表面で光がどのように反射するかといった点を自動的に算出し、AR空間上に反映してくれるという便利な機能だ。
9月20日にリリースされたiOS11はアップルのARアプリ開発アプリケーションである「ARKit」を搭載しており、そのためリリースによりスマートフォンにおけるARアプリ普及が広範なジャンルにおいて進むのではないかと予測されている。
ARアプリ分野では、まだエンターテイメント系のカテゴリに分類される内容のものが多くリリースされている印象だが、「Blocker」のように実用性を重視したアプリが今後増加していくことになるかもしれない。
上記で紹介してきた以外にも「Blocker」には、気に入った視点位置でカメラをスナップしておける機能やスナップショットを一連のストーリーボードとしてまとめ上げて外部アプリケーションにエクスポートできる機能などが搭載されている。
興味がある人はApple App Storeからダウンロードして試してみてはいかがだろうか。
参考URL:
Blocker
http://blocker.afternow.io/
Apple App Store
https://itunes.apple.com/app/apple-store/id1256222832?mt=8
VRSCOUT
https://vrscout.com/news/blocker-ar-app-filmmakers-afternow/
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