先日、iOS 11の正式リリースによってアップルのARプラットフォームであるARKitが利用可能になり、様々なARアプリが登場している。ゲームをはじめ様々な分野においてモバイルARには使途が見出されている。


そんなモバイルARが活用できる分野の一つが建築、インテリアだ。現在大手家具メーカーのIKEAをはじめ、様々な企業がこの分野に関するARアプリをリリースしている。


インテリア、建築を専門とするメディアであるHouzzは、同社がリリースするモバイルアプリに「View in my Room 3D」というAR機能を搭載した。ユーザーは本機能を用いて様々な家具をモバイルARで試すことができる。


概要



家具や装飾品をARで試せるアプリ


Houzzがリリースするモバイルアプリ「Houzz Interior Design Ideas」は今年6月にリリースされており、現時点で100万人以上のユーザーがいるという。


そして先日、iOS 11が正式リリースされARKitが利用可能になり、同アプリにもAR機能が追加されたという運びだ。


新機能「View in my Room 3D」ではARを用いて、約500,000種類の家具や装飾品をモバイルARによって試すことができる。


実物大の3D家具モデルをAR配置


本アプリではARKitの表面検出技術とモーショントラッキングを用いることで、選んだ3Dモデルの家具を部屋の中に正確に配置することができる。


それぞれの家具モデルは実物大でAR表示されるので、様々な家具を手軽に試すことによってベストな家具を選ぶことができる。



気に入った家具はそのまま購入可能


アプリでは表示した家具を自動的にセーブ、そのままショッピングリストに進んで購入することができる。支払いはApple Payにも対応している。


部屋にフィットする家具が見つかれば、そのまま購入手続きに進むことができるので手間いらずだ。


Androidにも対応予定


本アプリはiOS 11をインストールしたiPhone、iPadで使用できる。


また、本アプリはAndroidにも対応する予定で、VRScoutによるとAndroid対応版は来週中のリリースを予定しているとのこと。おそらく9月中にはリリースするものと考えられる。


Houzzについて



Houzz(ハウズ)とは建築、インテリアデザイン、装飾、ランドスケープデザイン、リフォームに関するウェブサイト、およびオンラインコミュニティだ。


同社のプラットフォームとモバイルアプリには、家の内装や外装の写真、建築家やインテリアデザイナー、家屋設計専門家が執筆した記事、おすすめの商品などが掲載されている。


それ以外にもユーザーフォーラム機能なども備えており、同メディアの運営企業であるHouzzは2009年に創業し、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置いている。


建築、インテリアで活用できるモバイルARアプリ


家具を選ぶ際、カタログやウェブサイトの画像を見ただけでは実際の大きさや、部屋に配置した時の様子などのイメージを掴むことが難しい。


しかしモバイルARによって実物大の3Dモデルを手軽に配置できるので、家具のサイズや部屋との相性などを、より正確に、簡単に把握することができる。


新しい家具を選ぶ際やリフォームの際に、ARを用いて事前に完成図や実物のイメージをARで確認するという行為は、今後当たり前のものになるかもしれない。


「IKEA Place」



大手家具メーカーのIKEAは、モバイルARを用いて購入前に同社の様々な家具を試すことができるアプリ「IKEA Place」をリリースする。


本アプリでは、ソファーやコーヒーテーブルなど2,000種類以上のIKEAの家具を3Dモデル化して収録し、AR表示して部屋の中に配置できる。


ARKitで動作し、ARKitの正確な空間認識能力によって部屋の中の様子をスキャン、カタログに登録されている3Dデータの家具を部屋のサイズに応じて自動的に配置する。


アプリの操作はシンプルで、配置した家具を360度回転させることも可能で、多角的な視点から家具のレイアウトを試すことが可能だ。


「Cambria AR」


また、インテリアデザイン企業であるCambria社は、高品質な石材を用いたカウンターやキッチン、バスルームなどを提供しているが、同社はモバイルARを用いて様々な模様の石材を手軽に試すことができるアプリ「Cambria AR」を開発している。



本アプリはスマートフォンのカメラを通して壁やテーブルの形状を正確に認識、そこにCambria社が提供する様々な模様の石材をAR表示することができる。


ARKitの光推定機能を用いることによって、まるで実際に石材を取り付けたかようなリアルな表示が可能なので、ユーザーは部屋のどの部分にどんな模様の石材を用いれば良いかを正確に判断することができる。


「Markilux」


家具や石材などを、実際に部屋の中に設置したかのように表示できるモバイルARサービスは、ドイツのエクステリアメーカーであるMarkilux社も開発している。



同社は天候に応じて格納可能な日よけを提供している企業で、同社はARKitに対応したアプリを開発した。様々なカラーやデザインの日よけを、実際に取り付けたかようにAR表示して試すことができるものだ。


ARKitの水平面を正確に検知する技術を用いて、ユーザーは様々な日よけを試したり、もしくはサイズを自由に変更することが可能だ。3Dモデルの日よけが格納する様子を再現することもできる。


参考:VRScout Houzz Launches Enhanced ARKit App to Let You Live Your Dream Home


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 部屋にピッタリと合う家具をシミュレーションできるモバイルARアプリが登場、iOSに対応