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スマートフォンの発明によって、現代人の生活は大きく変わった。最近では使いやすさを重視したスマートフォンも多く、意識してデジタル機器を避けているのでなければスマートフォンが日常生活に欠かせないデバイスになっているという消費者は多いのではないだろうか。
電話としての用途だけでなく、目覚まし時計やスケジュール帳といった道具として使ったり、ゲームアプリやSNSで暇つぶしをしたりするためにも使われるマルチツールとなっているスマートフォン。既に重要な役割を多数持っているこのデバイスが、音楽観賞やVRといった用途でさらに存在感を強めることになるかもしれない。
スマートフォンが登場する以前、音楽を聴く道具としてメジャーな存在だったMP3プレイヤー。AppleのiPodやソニーのウォークマンといった有名企業の製品だけでなく、様々な特徴を持つアイデア商品のようなものも出回っていた。
そうした製品を置き換えていったのがスマートフォンだ。当初は音楽を聴くことでスマートフォンのバッテリーの減りが早くなることやストレージ容量を圧迫することが問題視されたものの、バッテリーの大容量化や内部ストレージ容量の増加によってスマートフォンで音楽を聴くことは一般的になっていった。
iPhoneのように音楽を聴くことに適したスマートフォンが作られたことも大きいだろう。利便性・携帯性の観点からは、iPodとiPhoneを持ち歩くよりもiPhone1台に機能を集約することが好まれた。
MP3プレイヤーで音楽を聴く場合、CDからパソコンを経由して音楽を取り込むか、パソコンでダウンロード購入した音楽ファイルをプレイヤーに保存していた。しかし最近では、音楽ファイルを個別に購入してダウンロードする代わりにストリーミング再生するサービスも増えている。
定額料金を支払うことで(インターネットに接続できれば)いつでも好きな音楽を再生できるというサービスは、自宅でも外出時でも便利に利用できる。こうしたサービスと相性が良いのがスマートフォンだった。
スマートフォンは家庭のWi-Fiにも外出先の携帯電話網にも接続できるだけでなく、Bluetoothにも対応している。Bluetooth接続が可能なスピーカーやイヤホンが増えているので、この特徴は好都合だ。
外出先でイヤホンを使って音楽を聴く場合にも、家庭でBluetoothスピーカーに接続してBGMを流す場合にも、スマートフォンがハブとして機能する。
スマートフォンのハードウェアは音楽の再生専用に作られておらず、再生できる音楽ファイルの形式にも制限があった。一般的な人間の耳でどの程度違いを認識できるかはさておき、CD音源と低ビットレートのMP3ファイルを比べれば後者の方が情報量が少ないのは事実だ。
だが、最近のスマートフォンでは音楽再生機能が強化されている。ハードウェアの強化が続けられていることに加え、よりビットレートの高いファイルや無圧縮のファイル形式もサポートされるようになってきた。
最高の音質を求めるならばスマートフォンでの音楽再生は物足りないかもしれないが、多くのユーザにとっては十分なものになっている。再生能力の向上も、スマートフォンでの音楽再生が一般化した理由の一つに挙げられるだろう。
音楽とは異なるVRの世界でも、スマートフォンの存在感が強まっている。
現在消費者向けに販売されているデバイスとしては、HTC ViveやOculus Riftを使うことで没入感の高いVR体験が可能だ。こうしたPCベースのVRヘッドセットでは高性能なPCによって高解像度VR映像のレンダリングを行い、複数のセンサーを組み合わせることで実現する高いトラッキング精度で体験の質を高めている。
高品質な体験と引き換えにPCベースのヘッドセットが抱える問題が、コストの高さだ。ゼロからPCベースのVRヘッドセットを利用するための環境を整えるには10万円以上のコストがかかるため、気軽に揃えるのは難しい。
そこで注目されているのがスマートフォンを使うモバイルVRだ。
Gear VRやDaydreamといったモバイルVRプラットフォームでは、VRヘッドセットと対応するスマートフォンを組み合わせてVR体験を実現する。Gear VRであれば最近のGalaxyスマートフォン、DaydreamならばGoogle PixelやASUSのZenfone ARなどが対応機種だ。
ある程度スペックの高い高価なスマートフォンが必要になるが、ヘッドセット本体は1万円前後とPCベースのVR環境を整える場合に比べれば手頃な価格となっている。
スマートフォンの処理能力はゲーミングPCと比べれば極めて低く、ゲーム用のVRデバイスとしてはモバイルVRはPCベースVRに及ばない。だが、価格の低さや扱いやすさはVRを一般の消費者に普及させるきっかけとなるだけのポテンシャルを秘めている。
360度でライブ中継されるスポーツの観戦やコンサート映像の視聴といった用途では、利用が拡大するかもしれない。
VRと並んで語られることの多いAR技術の世界でも、スマートフォンが普及の鍵になりそうだ。
Appleが最新のiOSアップデートで提供しているARプラットフォームARKitにより、多くの消費者が所有するiPhoneでARアプリの実行が可能となった。Googleが開発するAndroid OSでも同様に、ARCoreと呼ばれるARプラットフォームの開発が進められている。
グラフィックの処理を行うチップも進化しているので、時とともによりリアルなARオブジェクトの表示が可能になるはずだ。
こうしたモバイルARプラットフォームが普及すれば、AR技術が消費者に受け入れられるきっかけとなるだろう。
スマートフォンは電話以外にも豊富な機能を持つデバイスだ。音楽のストリーミング配信サービスやVR/ARといった映像技術の進化に合わせてスマートフォンの機能も変化しており、今後もさらに重要性を増していくと思われる。
オーディオ愛好家やVRゲーマーがそれぞれの用途に適した専用デバイスを使い続ける一方で、ライトユーザはほとんどのことをスマートフォン1台で済ませる世界になっていきそうだ。
参照元サイト名:Android Authority
URL:http://www.androidauthority.com/history-android-os-name-789433/
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