VRユーザが求めるものとは


バーチャルリアリティは次にヒットする技術として注目を集めており、VRコンテンツを体験したことがあるというユーザも増え続けている。だが、それでもVRヘッドセットを所有しているのはまだ一部のゲーマーや最新のテクノロジーに興味を持つアーリーアダプターに限られたままだ。


最近の研究によれば、アメリカでインターネット環境を持つ家庭の8%がVRヘッドセットを所有しているという。ヘッドセットの種類は分けられていないのでGear VRのようなモバイルVRヘッドセットやCardboardゴーグルが多いのではないかと思われるが、徐々に普及率が高くなっていることは事実だ。


1,900人のインターネットに接続できる環境にあるユーザを対象に行われた調査の結果からは、「より良いコンテンツを増やすこと」「コンテンツの数を増やすこと」でVRデバイスを購入する消費者がさらに増えると示唆されている。


Thrive Analyticsの調査


VRユーザはコンテンツを求めている


今回の調査は半年ごとに期間を区切って行われているもので、1,900人のインターネット使用者を対象としている。対象者は無作為に選ばれているわけではなく、国勢調査のデータに基づいた重み付けが行われているとのことだ。対象者の人数は控えめだが、全体の傾向を推測することができるだろう。


VRヘッドセット所有者の意見


以前紹介したアンケート調査でも、VRヘッドセット所有者の9割近くがVRヘッドセットに満足しているという結果が出ている。所有者のほとんどがVRヘッドセットに満足してはいるのだが、改善すればより評価を高めることに繋がりそうな領域は次のとおりだ。



  1. より多くのコンテンツ(55%)

    半数以上のユーザがより多くのコンテンツを望んでいる。VRコンテンツの開発を行うデベロッパーの数も増えているが、まだコンシューマーゲームやPCゲームに比べると数が少ない。また、ゲーム以外のコンテンツも限られている。

  2. より品質の高いコンテンツ(45%)

    コンテンツの数だけでなく、その質も求められている。高品質なコンテンツが増えれば、既存ユーザもより多くのコンテンツを購入するようになるだろう。

  3. 製品機能の改善(42%)

    VRヘッドセットに満足しているユーザは多いが、本体の機能・性能が改善されればより満足度は高まる。解像度の向上や軽量化といったスペックアップはもちろん、利便性を高めるワイヤレス化なども期待されている。

  4. 他のシステムとの統合(35%)

    VRヘッドセットは複数のメーカーから販売されているが、それぞれのプラットフォームが独立している。マルチプラットフォームに対応するコンテンツも増えているので、この部分は改善されていきそうだ。

  5. 低価格のコンテンツ(30%)

    ボリュームのあるVRコンテンツが増えている一方で、コンテンツの価格も上昇している。低価格でVRコンテンツを楽しみたいというユーザには、ViveportのサブスクリプションプランやPS Plusのフリープレイが解決策となるかもしれない。


VRへの興味


VRヘッドセットをまだ所有していない消費者も、VRに興味がないというわけではないようだ。この調査によれば、VRヘッドセット非所有者の41%がVRヘッドセットを所有することに関心があると答えている。特に35歳未満の世代では関心があると答えたユーザの割合が大きい。


特に若い世代にとっては、デバイスの価格も重要だ。


OculusとHTCは最近になって、それぞれのVRヘッドセットを大幅に値下げすることを発表している。Oculus RiftはPSVRと勝負できるほど安くなっており、HTC Viveは発売以来はじめての価格改定だ。この値下げを受けてデバイスを購入したか、ホリデーシーズンにかけて購入を検討している消費者も多いとみられる。


VRに興味を持つ消費者も半分近くいる一方、半数以上の消費者がVRヘッドセットを所有することに興味を示していないのは業界にとっての問題だ。その大きな原因は、VRを体験したことがない消費者の多さにあるのかもしれない。


VRデバイスの利用法


ゲーマーにとっては意外な結果かもしれないが、VRの最も魅力的な利用法としては映画の視聴が挙げられたという。二番目に挙げられたのも世界を探検できる『Earth VR』のようなコンテンツであり、VRゲームではない。


この調査ではVRデバイスの非所有者も対象となっている。ゲーマーに限らない一般消費者には、映画などの視覚に訴えるコンテンツが強いようだ。


VRデバイスの未来予測


VRヘッドセットを所有する家庭が増加している


VRヘッドセットの普及


VRヘッドセットを所有する家庭の増加は、複数の調査結果からも明らかだ。その数は今後も増加を続けるとみられている。


Parks Associatesによれば、今年の終わり時点で2,400万世帯が少なくとも1台のVRヘッドセットを所有することになるという。さらに2021年には、7,700万世帯まで増加する見込みだ。


Parksの調査では、米国のブロードバンド世帯の9%が来年中にVRヘッドセットを購入する計画があるという。


過去のデータ


今年の6月にGlobalWebIndexがインターネット上で行った調査によれば、北米のインターネットユーザの中でVRヘッドセットを所有しているのはわずかに5%だったという。この調査は40の市場で35万人を超えるインターネットユーザを対象としたものなので、数字の信憑性は高いはずだ。


VRヘッドセットの所有者が爆発的に増えているわけではないにしても、少しずつ増え続けていることは間違いない。もしより魅力的なVRコンテンツが増えれば、ユーザの増加ペースはさら速くなるだろう。


Parks Associatesの予測を超えてVRヘッドセットの普及が進むことも考えられる。


 


参照元サイト名:Media Post

URL:https://www.mediapost.com/publications/article/306938/virtual-reality-users-want-more-better-content.html


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 VRユーザが求めるのは「もっと多くのコンテンツ」「より良いコンテンツ」だと判明