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スウェーデンのソフトウェア開発企業であるManoMotionが、モバイルARでジェスチャー操作を可能にするSDKのリリースを予定している。
これは現在のところ、アップルのARプラットフォームであるARKitに対応しており、同プラットフォームに対応したARアプリにジェスチャー操作を追加できるものだ。
同社は現在、モバイル端末を用いたVR/AR両方でジェスチャー操作を可能にする技術を開発しており、ユーザーはバーチャル空間内のオブジェクトに直接触れたり、ジェスチャーを用いてアプリを操作することが可能になる。
本SDKはiOSデバイスのカメラによって手の形をトラッキングして、様々なジェスチャーを正確に認識することができる。
これによって、たとえばオブジェクトを掴んだり離したり、クリックやスワイプ、タップなどのジェスチャーをリアルタイムで認識することが可能になる。
また、最小限のCPU消費でこれらの動作を行えるように設計されているため、バッテリー駆動時間に影響することもなく、また外部デバイスを接続する必要もない。
開発者はこのSDKを用いて、製作するアプリにジェスチャー操作機能を追加することが可能となる。
ポイントやプッシュ、ピンチやスワイプなどのジェスチャーはあらかじめセットとしてSDKに組み込まれているので、アプリにジェスチャー機能を容易に実装することができる。
モバイルARでジェスチャー操作が可能になれば、これまで以上にモバイルARの可能性が拡がり、ゲームのみならず様々な分野のアプリで使い道が見出せそうだ。
ManoMotionのCEOであり、共同創業者であるDaniel Carlman氏は、本SDKは現行のモバイルARを拡張するものとして、以下のように述べている。
本SDKはUnityで動作するもので、現在のところiOSアプリの開発に対応している。
また今後、Android用のARプラットフォームであるARCoreにも対応するとのことだ。
ManoMotionは現在、モバイルARだけでなくスマートフォンVRでのジェスチャー操作を可能にするSDKの開発も行なっている。
こちらはiOS、Android両方に対応しており、このSDKを用いて様々なVRアプリにジェスチャー操作を組み込むことが可能になる。
Unityエンジンのプラグインとして機能し、キットはフリーミアム(あらかじめフリーで公開して、カスタマーの要望に応じて課金して機能を追加するシステム)でリリースされ、カスタマーのニーズに応じたサービスの開発、提供を目指している。
様々な種類のジェスチャーを認識できる点も本キットの特徴で、スマートフォンVRでジェスチャー操作が可能になることによって、スマホVR体験がより豊富なものになる。
モバイルARでジェスチャー操作を可能にする技術は、ManoMotion以外でも開発が行われている。
ベルリンを拠点に活動する開発者、Arthur Schiller氏は、モバイルARでジェスチャー操作を可能にする技術を開発しており、先日デモ動画を公開した。
これはARKitと、モーショントラッキングデバイスであるLeapMotionを組み合わせて、モバイルARでジェスチャー操作を可能にするものだ。
このデモではiPhone 7と、LeapMotionを接続したMacBookを使用している。
LeapMotionがユーザーの手の動きをトラッキングしてMacBookに送信、そこでジェスチャー操作用のデータに変換して、iPhoneへと送る仕組みだ。
デモではボックスを動かしたり、回したり等のシンプルな操作のみが可能だが、タッチスクリーンによる操作に比べると操作の自由度が上がり、モバイルARコンテンツをより自然に、ストレスなく操作できる。
このデモではジェスチャー操作をするためにPCやセンサーなどの外部デバイスを接続しているが、ManoMotionが開発するSDKでは外部デバイスを接続せずに、モバイルARでジェスチャー操作を行うことができる。
また、今後はスマートフォンの性能が向上することによって、カメラを用いたトラッキング精度が向上することが予測される。
そうすれば、モバイルARでのジェスチャー認識もより高精度なものになり、ジェスチャー操作に対応した様々なARアプリが登場する可能性がある。
参照元:VRScout ManoMotion Introduces Apple ARKit Hand Gesture Support
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