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世界初のGoogle Tango&Google Daydream両対応端末として2016年の発表時から注目を集めてきたASUSのAndroidスマートフォンZenfone AR。
日本向けにもASUSの公式ストアで販売されており、スマートフォンを扱うショップ経由で入手することもできる端末だ。
Gear VRにも対応するサムスンのGalaxy S8/S8+がアップデートでDaydreamをサポートするようになるなど、Daydream VRプラットフォームに対応するVRスマートフォンは数が増えてきた。しかし、Google TangoによってARに対応するスマートフォンはそれだけで貴重だ。
だが、TangoによるAR対応だけではZenfone ARの価格を正当化するには物足りないかもしれない。
Zenfone ARが高価すぎるというレビュー記事は、Alphrに掲載された。
スマートフォンの値段が高いという場合、重要なのは金額そのものの大きさよりも機能と価格のバランスだ。実際のところ、Zenfone ARは高いのだろうか。
レビューによれば、Zenfone ARの値段は800ポンド(11.3万円)だ。実際にイギリスのAmazon(Amazon.co.uk)での最安値は800ポンドとなっている。
この価格はGalaxy S8+(Amazonで615ポンド/8.7万円)よりも高い。
このレビューで取り上げられているのは2モデルあるZenfone ARの中でも高性能なメモリ8GB/ストレージ128GBの方ではあるが、確かに高い。日本のAmazonでは同じモデルが10万7千円、メモリ6GB/ストレージ64GBのモデルならば8万8千円だ。
価格そのものも高いが、それに見合った性能が無いという評価を下されている。
Galaxy S8+より価格が高くても、その分性能が良いならば購入したいというユーザは多いだろう。
しかし、Zenfone ARに使われているチップセットはSnapdragon 821だ。これはGalaxy S8+、ソニーのXperia XZ Premium、HTCのU11といった最新のスマートフォンに使われているチップSnapdragon 835よりも古く、処理速度も劣っている。
Google Pixelよりは少し上の処理能力を持っているので普通に使っていて困ることはないだろうが、ベンチマークテストをするとスコアの差が現れる。より安価な端末よりも性能が低いのは残念だ。
処理能力が控えめな分バッテリーの持続時間が長いということもない。
連続稼働時間を犠牲に大画面と高性能を実現したXperia XZ Premiumよりは長時間利用できるものの、Galaxy S8+よりは5時間、Pixel XLとくらべても2時間ほど稼働時間が短いという結果になった。
バッテリー容量は本体サイズや重量とも関係するのでとにかく大きくすれば良いという項目ではないものの、やはり持続時間は長い方が良い。
Zenfone ARの優れた点を挙げるならば、ディスプレイの解像度はその一つだ。
ディスプレイのコントラストや傷の付きにくいガラスは普通に良い出来だが、特別素晴らしいというほどでもない。ただ、2560×1440ピクセルという解像度はメジャーなVRヘッドセットに相当する。
スマートフォンの解像度が低いとモバイルVRを使うときにスクリーンドア効果が発生してしまうので、この点は高評価だ。
この解像度はスマートフォンとして使うには過剰なくらいで、バッテリーの持続時間を短くする要因にもなっていると思われる。
Zenfone ARではもちろん写真や動画を撮影できるが、その画質も悪くない程度である。
静止画ではノイズの少ない綺麗な写真が撮れるが、Zenfone ARよりも安価なスマートフォンでも同様にカメラ性能の高い機種がある。
また、動画を撮影する場合には手ブレ補正が不十分だという。
日本向けに販売されているGoogleのDaydreamプラットフォームに対応するスマートフォンはあまり多くなく、ヘッドセットDaydream Viewも公式に販売されていない。そのため、Zenfone ARでDaydreamアプリを利用したいというニーズはあると考えられる。
しかし、Galaxy S8+がDaydreamに対応する。これにより、Zenfone ARにできることのほとんどはGalaxy S8+にもできるようになってしまった。
最大の特徴であるGoogle TangoによるAR機能はZenfone ARのウリとして残っているが、対応ARアプリがまだ少ないのも事実だ。
現時点では、どうしてもTangoを使いたいという理由でなければあえてZenfone ARを選ぶ必要はないかもしれない。
ただ、Galaxy S8+は国内だとキャリアからの購入になるので単純に比較しにくい部分がある。SIMフリー版は輸入になってしまうので、イギリスよりも割高になるだろう。
スマートフォンのARプラットフォームでは、AppleのARKitもこの秋に登場するとされている。
既に世界のデベロッパーがARKitに対応するARアプリの開発を進めているので、一般向けにOSのアップデートが提供されれば多くのアプリがリリースされるだろう。
Google TangoにこだわらずAR対応スマートフォンがほしいのであれば、ARKitの公開を待ってから考えるのが良さそうだ。
参照元サイト名:Alphr
URL:http://www.alphr.com/asus/1006681/asus-zenfone-ar-review-it-costs-how-much
参照元サイト名:ASUS
URL:https://www.asus.com/jp/Phone/ZenFone-AR-ZS571KL/
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