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iOS11の正式リリース前に、数々の実用的かつ魅力的なARKitアプリのデモが公開されているが、またひとつ注目すべきものが加わった。そのアプリは、レストランメニューアプリ「KabaQ」だ。
同アプリは、レストランのテーブルに置かれた皿をiOS端末のカメラを通して見ると、iOS端末の画面にレストランの料理が皿のうえにAR表示されて、実際にメニューを注文してテーブルに運ばれた時のイメージを見せる、というもの。デモ動画を見ると、同アプリの実用性がすぐに理解できる。
同アプリの魅力は、AR表示された料理を回して裏側からも確認できるところだ。こうしたことが可能なのは、同アプリがAR表示しているオブジェクトが写真のような2D画像ではなく、立体的な3Dオブジェクトだからである。こうした料理の3Dオブジェクトを、同アプリを開発したKabaQ社は3Dオブジェクト共有サイトSketchfabで多数公開している(以下の画像参照)。
同アプリは、現在アメリカ・ニューヨークの5ヶ所のレストランで実際に使われている。導入する場合には、レストランのメニューに合わせた3Dオブジェクトを用意する必要があろう。
最近の外食産業では、味や値段ではなくて「見た目」、もっと言えば「インスタ映え」する料理が非常に好まれるというトレンドが認められる。こうしたトレンドをうけて、飲食店も「インスタ映え」する新メニューの開発にちからを入れている。同アプリを使えば、料理を注文する段階でかなり正確に「インスタ映え」をチェックできるのではなかろうか。まさに、昨今の外食産業のトレンドに呼応していると言えよう。
既存のスマホARアプリではARオブジェクトを表示するのに、位置情報やマーカーと呼ばれるリアルに存在するしるしを活用するため、応用範囲が限られている。
対してリアルなオブジェクトの認識を直接的に実行できるARKitは、既存のARテクノロジーより柔軟にARオブジェクトを表示できる。こうしたARKitの特性を生かして、ARオブジェクトを実用的に表示するデモ動画を本メディアでは多数紹介してきた。
例えば家具を組み立てる時、マニュアルを見てから家具の部品を確かめることになり、マニュアルと部品を同時に見るということはないだろう。しかし、ARKitアプリを使えば、マニュアルと家具の部品を同時に見ることが可能となる。マニュアルをAR表示すればいいのだ。本メディア2017年7月18日付の記事で、こうしたARKitアプリのデモ動画を紹介した。
同動画を開発したJigSpaceのCEOであるZac DuffはARマニュアルアプリに関して、以下のようにコメントしている。
デモ動画は、私たちがずっと研究してきた解説や図解に関する画期的で驚くべきアプローチを見せています。
デモ動画で示したアプローチは、あらゆるモノのマニュアルに応用できることを考えると、とても興奮します。
以上のようなARマニュアル表示アプリは、ARKitによってはじめて可能となったのだ。
本メディア2017年7月10日付の記事では、ダンスのステップを床にAR表示するARKitアプリ「Dance Reality」を紹介した。
同アプリを使うと床に左右の足あとマークが表示され、マークに従って足を動かしていけば正しいステップが踏めるようになっている。
ペアで踊る場合にも対応しており、きちんと2人分の足あとが表示される。繰り返し動きを見て、真似て練習することでダンスのパターンやリズムを身体で覚えられるだろう。
他の人が踊っている動画を見て真似る場合と異なり、再生する曲を選べ、ステップのスピードもユーザーがコントロールできる機能も実装している。
また、ペア用のステップを1人で練習するときでも、リードする側とされる側を選ぶことができる、とのこと。
以上のような実用的なARKitアプリのデモ動画を見ていると、ARKitの正式リリース以降、日常生活に革命が起こるような予感を感じられるのではなかろうか。
レストランメニューアプリ「KabaQ」公式サイト
http://www.kabaq.io/
レストランメニューアプリ「KabaQ」を紹介したNext Realityの記事
https://mobile-ar.reality.news/news/kabaq-transitions-traditional-restaurant-menu-augmented-reality-0179414/
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