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とはいえ、VRの可能性が見出しづらい業界もある。
たとえば、にMicrosoftの「Word(ワード)」 や「Excel(エクセル)」のような事務作業向けツールは、VR化したところでメリットが少ない…なんて感じないだろうか?
しかし、実は「エクセル」についてはVRを活用したアプリケーションが出現し始めている。
「エクセル」のようなツールでVRをどう活用するというのか?…この記事でご紹介したい。
オフィスでデスクワークを経験した人であれば、恐らく一度は「エクセル」触ったことがあるのではないだろうか。
「エクセル」は表計算ツールと呼ばれるジャンルのソフト。
仕事において多くのケースでは、計算結果とその内訳を表形式にまとめることで、「資料を作る」ためのソフトとして使われている。
ただ、さらにその資料の存在理由を考えると、「様々なデータをまとめて分析、表やグラフといった表現形式に落とし込むことで、ビジネスを管理すること」こそが本来の目的といえるだろう。
この本来の目的からすると、「データをどういう形で表現すれば、管理する上でより理解の助けになるか」はとても重要だ。
そして、この「データをどういう形で表現するか」…つまり、「データの可視化」という点に着目すると、VRを活用する意義が見えてくる。
それでは、VRによってデータの可視化を実現した具体的な事例を見ていこう。
VirtualiticsのVR用表計算ツールは、VRヘッドマウントディスプレイを被ることで、表計算の結果をVR空間内のグラフとして見せてくれる。
グラフをVR空間内で見せることのメリットのひとつが、三次元のデータをより直観的に把握できることだ。
X軸とY軸しか活用しない二次元のデータであれば、グラフを通常のディスプレイで見せたり、紙にプリントして見せたりしても十分把握しやすい。
しかし、X軸とY軸に加えてZ軸まで存在する三次元のデータだと、グラフが立体的になってしまうため、まず紙では再現できない。
通常のディスプレイであれば3Dモデルでグラフを描写することが可能だが、マウスをはじめとするポインティングデバイスで3Dモデルを動かすというのは、もどかしさを感じてしまう。
だが、ヘッドマウントディスプレイによって3DグラフがVR空間に描写されれば、手で回転させることも回り込むこともでき、より直観的にデータを把握することが可能だ。
「Big Data VR Challenge」は、ゲームエンジン「Unreal Engine 4」で知られるEpic Gamesと、医学研究支援等を目的とするイギリスの団体 Wellcome Trustが行ったビッグデータ可視化コンテスト。
このコンテストで最優秀賞に選ばれたチームLumaPieは、生活に影響を与える環境及び遺伝要因についての研究結果を、VRによって可視化。
先に触れた通り、一般的なデータであっても、軸が2次元を超えると紙や一般的なディスプレイでは把握が難しくなる。
なので、データのボリュームが多く、かつ多彩なビッグデータであれば、より効率的にデータを把握できる方法が求められることだろう。
VRによってデータがより把握しやすくなれば、様々な研究の効率がアップし、解決に時間を要するとされていた課題が早急に解決してしまう…なんて時代がくるかもしれない…!
この記事でとりあげた、「VRによるデータの可視化」は、まだ一部の限られた需要にこたえるものに見えるかもしれない。
しかし、一般のビジネスを行う上でも、相手にデータをわかりやすく提示する…というのは欠かせない。
クライアント企業にプレゼンテーションしたり、営業マンが商品を売り込んだり…といった上でいかにわかりやすく商品のメリットを相手に伝えられるかが、売り上げの行方を左右する。
なので、いずれはエクセルにVRグラフ作成機能が搭載される日がくるのかもしれない。
すでに、Windows10のCreators UpdateによってOSの3D機能が強化され、Powerpointは3Dオブジェクトをプレゼンテーション内に盛り込めるようになっている。
このことを考えると、オフィスツールがVR対応する日は意外と近いのかも…!?
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