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そうした、「VRが実用向けに使われる業界」に、接客業も加わろうとしているようだ。
この記事では、接客においてVRがどのように活用されようとしているのかをご紹介したい。
「接客業」とは、直にお客さんに接して商品やサービスの提供を行う仕事のこと。
代表的なのが「飲食業」だろう。
少子化傾向にある現在の日本は、人手不足と言われているが、その中でも「接客業」は慢性的な人手不足に陥っている。
このため、人工知能(AI)やロボットなどで代替できないかが模索されている状況だ。
現時点ではまだ人工知能(AI)やロボットなどは導入されていないものの、激安をウリにした居酒屋などではお客さんのオーダーをタッチパネルで注文する形式にしているところが多い。
お客さんがタッチパネルでオーダーできるようにすることで、オーダーを取るフロア係を減らすことで、少ない人数でも対応できるというわけだ。
ファーストフードの代名詞「マクドナルド」でも、一部店舗においてタッチパネル形式でのオーダーが実験されている。
とはいえ、あらゆる接客業においてこうした自動化施策が取れるわけではない。
というのも、「接客業」は、人と直に接するからだ。
業務内容がマニュアル化やルーチン化されていたとしても、人間相手だと、マニュアルやルーチンの範囲に収まらない対応が求められることも多い。
そんな中、VR/ARを用いた接客システムがリリースされようとしている。
はたして、VR/ARは人手不足に陥っている接客業を救うカギになるのだろうか!?
株式会社フォーメンバーズと、ナーブ株式会社が協力でオープンした「どこでもストア」は、世界初となるVR不動産遠隔接客店舗。
店舗は無人店舗として運営されており、VR技術を使った不動産内覧と、遠隔接客を実現。
VRによって物件のバーチャル内覧ができるだけでなく、内覧体験中に営業スタッフと意見交換が可能だという。
人手不足が常態化している不動産業界にとっては、大きな期待が持てる技術といえるだろう。
また、消費者金融の無人契約機がそうであったように、無人内覧店舗は、サービス利用にあたっての消費者の心理的ハードルを押し下げる効果が期待できそうだ。
さすがに「無人内覧店舗があるから引っ越そう!」という人が増えることはないだろうが、「対面で営業マンにプレッシャーをかけられるより、無人内覧店舗でリラックスして物件を探したい」というニーズを持った人を引き付けられるのではないだろうか。
続いては日本ではなくインドでの話だが、遠隔接客どころか、人のいらないバーチャル接客を実現しようという試み。
つまり、ワンオペどころか、ノーオペだ。
アメリカの保険会社であるメットライフの共同ベンチャー、PNBメットライフは、VR技術とAI技術を組み合わせ、バーチャルな保険アドバイザーを実現。
お客さんは、VRヘッドセットを用いることで、VR空間内でアバターから保険商品やサービスに関するアドバイスを受けられる。
人を介すことがないため、そのまま転用できる業界は限られるだろうが、もしこの技術がオープンなものになれば、接客業における人件費削減に大きなインパクトを与えるのは間違いない。
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最後は、厳密にはVR/ARの範疇からはみ出すが、現在進行形で普及が進んでいる、最新接客テクノロジーについてご紹介。
エイチ・アイ・エスが手がける、ロボットが接客するホテル「変なホテル」だ。
「変なホテル」では、チェックイン・アウトや清掃などにロボットを導入しており、人手不足を補うとともに人件費を削減。
コストを抑えた分を価格に反映し、低価格化を実現している。
「変なホテル」は1号店が2015年佐世保のテーマパーク「ハウステンボス」にオープン。
さらに今年(2017年)3月に、舞浜に2号店となる「変なホテル 舞浜 東京ベイ」をオープンした。
今後も出店を続けていくようで、直近では8月、愛知県に3号店がオープン予定だ。
楽しい話題ではないが、日本の人手不足が人口の増加によって解決するということは、少なくともこの先20年はあり得ない。
このため、人手不足のソリューションとしてVR/ARやIOT、ロボットといった技術が普及していくことは間違いないだろう。
飲食店でオーダーされたものをお客さんに渡す…という人の必要性が高いと思われる部分においても、回転ずしのベルトコンベアを使えば、自動化は実現可能だ。
そうなると、この先の接客業は、今とは随分変わったものになるだろう。
未来に生きる我々の生活スタイルも、随分変わったものになりそうだ…!
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