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VR関連デバイスとして、注目が集まる触覚フィードバックデバイス。視覚と聴覚に続いて触覚を利用することで、ユーザをさらにVRの世界へと没入させるような体験が可能になることが期待されている。
最近でこそ手袋型のテバイスも増えてきているが、昨年の3月と早い時期に手袋型の触覚フィードバックデバイスを発表していたのがオランダの企業であるManusだ。
Manus VRは当初2016年の上半期に予約の受付を開始、下旬には出荷することを目指していたが、実際には予約の受付が開始したのが今年の3月だった。その出荷が今月の後半になるとアナウンスされている。
上の動画は、一年ほど前に公開されたManus VRのデモ動画だ。この時点で発表時のスケジュールよりは遅れていたが、性能面では予定通りに指の動きや手首のひねりがトラッキングされていることが分かる。
また、手の動きから計算することで腕全体の動きを推測することも可能だ。
Manus VRの発表時にもその概要だけは紹介しているが、ついに指のトラッキングが現実のものになろうとしている。
Leap Motionの技術を使ったワイヤレスなトラッキングと違って、Manus VRでは手にセンサーを取り付けなければならない。だが、その分だけ精度が高く安定したトラッキングが可能になるはずだ。
それぞれの指の動きをトラッキングするため、指ごとに2つのセンサーが使用されている。加えて、手全体の回転をトラッキングするためのセンサーも別に存在する。
手や指は汗をかきやすい部分だ。緊張感のあるゲームをしていれば緊張から来る手汗もかくだろうし、Manus VRを付けていれば通常よりも暑くなりやすいだろう。
直接手にはめて使うManus VRは汚れやすい。Manus VRは耐水性があるので、汚れた場合には水洗いが可能だ。
Manus VRにはプログラムによって制御可能なモーターが搭載されており、手の甲に振動を伝えるフィードバックが可能だ。
VRgluvのように物体に触れる感覚を再現するところまではいかないが、振動によるフィードバックはVRへの没入感を高める働きがある。
手にはめたManus VRが電源ケーブルやUSBケーブルに接続されていれば、VR体験の妨げになってしまう。
Manus VRは完全にワイヤレスで使用できるようにデザインされており、パソコンやVRヘッドセットとの有線接続は必要ない。さらに、遅延は5msに抑えられている。
電力の消費も少なく、バッテリー駆動で3時間から6時間の連続使用が可能とされている。
昨年の下旬には出荷が始まっているはずだったManus VRだが、今度は本当に生産が始まっている。
今月の24日から予約したデベロッパーへの出荷が開始される予定だ。
出荷の開始に先立って公開された最新の動画では、HTC ViveとVive Tracker、そしてManus VRを使ってデモコンテンツを操作する様子を見ることができる。
この映像ではVive Trackerを使っているが、Manus VRはOptiTrack、Vicon、Xsense、PhaseSpaceによってトラッキングすることも可能だという。
映像を見る限りでは、実際に手で触っているかのような感覚で積み木をコントロールすることができるようだ。縦に積み上げた四角い積み木をつついて微調整している様子もみられる。
公式サイトでは現在も予約の受付が続けられており、デベロッパーキットの価格はManus VRの手袋本体やSDKなどを含めて1000ユーロ(12.8万円)となっている。
動画のようにVive Trackerを手首に取り付けるためには、オプションのリストストラップ(約2,600円)も合わせて購入することが推奨されている。
また、Vive Tracker本体は付属していない。手袋のトラッキングにVive Trackerを使うつもりなら、別途2台のTrackerを用意しておく必要がある。
開発者向けの段階でありエンタープライズ用途の製品ということを考慮しても、高めの価格が付けられたManus VR。Vive Trackerを別で購入すれば、開発用のデバイスを揃えるだけで15万円ほどが必要になる。
他社の開発する製品と比べて早い時期に実用的な形でリリースされることは事実だが、振動によるフィードバックだけでオブジェクトを握る感覚が得られないという弱点もある。
今後発売が予定されている競合製品と争う中で生き残っていくためには、コストダウンが必要になりそうだ。
参照元サイト名:Manus VR
URL:https://manus-vr.com/
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