かつてAR技術の急先鋒として話題になり、開発者向けのキットが販売されたGoogleのARサングラスが”Google Glass”だ。


残念ながら消費者向けの製品が販売される前にプロジェクト自体が消えてしまったが、大いに期待を集めていたことは間違いない。


このデバイスが上手く行かなかった理由については、内蔵カメラによる盗撮の不安や登場が早すぎたことによる性能の低さ、自然に身に着けられない目立つデザインと大きさなどが挙げられている。


サングラス型のARデバイスはより小さくなったものが登場しており、この高価なデバイスはこのまま忘れ去られるだけの存在になるかと思われていた。しかし、Googleはほぼ3年ぶりにGoogle Glassのファームウェアアップデートを提供している。


Googleが失敗作として葬ろうとしているデバイスをアップデートするとは考えにくい。このアップデートは、Google Glass 2のような製品の開発が秘密裏に進められていることを示すものなのだろうか?


Google Glassのアップデート



Google Glassは消費者向けの製品として販売される前に表舞台から消えてしまったデバイスだが、開発者キットは1,500ドル(16.7万円)で販売されていた。


かなり高価なこともあってすぐに普及するとは思われなかった。しかし、ちょうど現在のMicrosoft HoloLensのように将来の発展を期待される存在だったのだ。


3年ぶりのアップデート


Google Glassの所有者も含む多くの人にとって、Google Glassは過去のデバイスとなっているのではないだろうか。Googleも2014年の9月以来、このデバイスのアップデートを行っていなかった。


だが、Google Glassは終わっていない。まだGoogleはGlassの存在を忘れていなかった。


Googleは突然Glassのアップデートを発表し、すぐに新しいファームウェアの提供が開始された。バージョン3.5.8には特別大きな新機能の追加は含まれていないが、細かな機能の改善やバグの修正が行われている。


Bluetoothへの対応


Goole Glassのコンパニオンアプリである『MyGlass』の新バージョンにおける比較的大きな変更は、Bluetoothへの対応だ。


Googleの公開しているリリースノートでは、Bluetoothへの対応しか明記されていない。他の項目は「バグの修正とパフォーマンスの改善」とひとまとめにされている。


このアップデートにより、Google GlassをキーボードやマウスのようなBluetoothに対応した入力機器とペアリングすることが可能になったという。


通知の改善


公式のリリースノートには詳細が記載されていないが、Android Policeでは新バージョンの機能として通知の改善が挙げられている。


以前のGoogle GlassにはAndroidスマートフォンの通知を表示することができたが、Android Wear(スマートウォッチ)とGlassのどちらかにしか通知を送れないという奇妙な制限がかかってしまっていた。


新バージョンではこの制限が撤廃され、WearとGlassの両方で同時に通知をチェックすることができるようになっている。


ただ、通知によってはWearにしか表示されないものもあるようだ。これはバグと思われる。


バッテリー管理の改善


Google Glassの機能を発揮するためには、GlassとAndroidスマートフォンが頻繁に、あるいは常に通信できる状態を保たなければならない。


しかし、スマートフォンにはバッテリーの消費を抑えるためになるべく通信をスリープ状態にする機能が搭載されている。


MyGlassアプリは節電設定の例外として、適切な権限を持ってGlassとの通信を維持することが可能となった。


更新は続く?



VRヘッドセットの開発


Googleは、ハイエンドスマートフォンでの利用を想定したVRプラットフォームとしてDaydreamを展開している。Daydreamは、サムスンのGalaxyも含めたGoogle純正以外のAndroidスマートフォンでも利用できるVRのプラットフォームだ。


GoogleはDaydreamに対応したスマートフォン用のモバイルVRヘッドセット“Daydream View”も販売しているが、スマートフォンに依存しないスタンドアロン型のVRヘッドセットも研究しているという。


HTCが開発を担当したこのヘッドセットはDaydreamプラットフォームに対応し、今年の後半にはリリースされるとされている。


ARヘッドセットも開発?


Googleが、前回の更新から3年近くも放置していたデバイスのアップデートを配信したのは奇妙なことと言える。


ただ、今回の更新は小規模なものだ。単に配信しないまま忘れられていた最新版のデータを見つけて、何かのついでに配信しただけとも考えられる。


これをきっかけにMyGlassの更新が再開されるのであれば、Googleは今もARデバイスの開発を続けているのかもしれない。


GoogleがGlassの存在を忘れていないことは間違いないが、現段階でARデバイスを開発するプロジェクトが続いているのかどうかは判断できない。


次のアップデート、または公式のアナウンスを待つしかなさそうだ。


 


参照元サイト名:Tech Crunch

URL:https://techcrunch.com/2017/06/21/google-glass-is-apparently-still-around-and-just-got-its-first-update-in-nearly-three-years/


参照元サイト名:Android Police

URL:http://www.androidpolice.com/2017/06/19/myglass-app-receives-update-after-almost-three-years-of-silence-includes-proper-power-management-and-notification-syncing-without-disrupting-wear-apk-download/


参照元サイト名:Googleヘルプページ

URL:https://support.google.com/glass/answer/7434728?hl=en&ref_topic=3284652


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情報提供元: VR Inside
記事名:「 帰ってきた未来のデバイス!Google Glassに3年ぶりのアップデートが到来