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E3 2017では、全く新しいVRタイトルが複数発表され、開発中のタイトルのデモも多数公開されている。ベセスダ・ソフトワークスのFallout 4やスカイリムは最新の作品というわけではないが、今でも人気のある名作としてVRバージョンの登場が待たれているものだ。
ベセスダのVRタイトルは、作品ごとに特定のVRプラットフォームでの発売が予告されている。これからVRヘッドセットを購入する予定ならば、遊びたいタイトルが発表されているプラットフォームを選ぶのが良いだろう。
だが、同社のTwitterに投稿された内容を見ると複数のVRヘッドセットを購入しなくてもベセスダのゲームを全て遊ぶことができるのかもしれない。
ベセスダがHTC Vive対応でVR化を発表している作品が、2015年に発売されたFallout 4だ。この作品の発売予定は近く、最近の発表によれば今年の10月に迫っている。
Falloutからは遅れるが、スカイリムのVRバージョンも開発が進んでいる。こちらは2017年11月の発売とされており、対応プラットフォームはHTC ViveではなくPSVRだ。
これらのタイトルは、それぞれの対応するプラットフォームが一つしか発表されていない。一方で、『Doom VFR』はHTC ViveとPSVRの両対応が発表されている。発売時期は2017年中とされているが、対応プラットフォームが広いのだ。
最近ではVRコンテンツのマルチプラットフォーム対応が進んでおり、大型タイトルであれば発売時から複数のVRヘッドセットに対応していることも多い。
特に映像処理能力やハンドトラッキングの能力が近いPCベースのヘッドセット、HTC ViveとOculus Riftは両方に対応しやすいようだ。PSVRはこの2つに比べるとトラッキングの安定性が劣っていたり、ライフルのように扱えるシューティングコントローラーが存在したりとやや事情が異なる。
Doom VFRはHTC ViveとPSVRの双方に対応することが発表されているタイトルなので、同作をOculus Riftでプレイすることは技術的に可能なはずだ。それにもかかわらず、現時点でDoom VFRがOculus Riftに対応するという発表はされていない。
各プラットフォームの独占状態となっているFalloutやスカイリムについては言うまでもない。
ベセスダが権利を持つタイトルの対応プラットフォームにOculus Riftの名前が出ない理由と考えられるのが、Oculus Riftの権利を巡る訴訟の問題だ。
ZeniMaxがOculusによる技術の盗用を訴えているこの問題はまだ解決していない。Oculus(Facebook)がZeniMaxに対して賠償金を支払うように求められているが、Facebookはこれを不服としているのでこのまま終わるとは考えにくい。
ベセスダが直接この争いに参加しているわけではないが、Oculusを訴えているZeniMaxはベセスダ・ソフトワークスの親会社だ。
親会社が法的な争いを続けている相手であるOculusのハードウェアを公にサポートすることはできない、というのが対応プラットフォームとしてOculus Riftが挙げられない理由なのかもしれない。
It’s been fun bringing our style of games to VR. We plan on supporting as many platforms as we can. #E32017pic.twitter.com/xA5kNgV9hR
— BethesdaGameStudios (@BethesdaStudios) 2017年6月13日
もっとも、ZeniMaxとOculusの争いがOculus Riftへの対応を妨げる理由になっているというのはあくまでも予想に過ぎない。
発売されてみればOculus Riftでもプレイできるようになっていることも考えられる。そうでなくとも、後からRiftへの対応を行うのは簡単だ。
SteamはHTC Vive、Oculus Rift、OSVRをサポートしている。HTC Vive専用のタイトルとしてSteamで発売したタイトルを、Oculus Riftにも対応させられるのだ。
ベセスダはTwitterで「できるだけ多くのVRプラットフォームをサポートしようと考えている」と発言しており、Oculus Riftがその中に含まれる可能性はある。
初期のGoogle Earthには、HTC Viveを使っているときにのみ動作するようなロックが存在した。リリースからほどなく非公式なツールを使うことでOculus Riftからの利用も可能となったが、正式にOculus Riftがサポートされたのはリリースから5ヶ月が経ってからだ。
FakeViveの登場から正式対応までの5ヶ月弱の期間、Googleは動作対象外のデバイスを使うユーザがEarth VRを利用していることを知りながらもそれを禁止はしないという状態が続いていた。ベセスダのVRゲームでも同様の状態になる可能性もある。
ベセスダがHTC Viveでのみ動作するようなハードウェア認識機能を付けたコンテンツを販売し、ユーザが非公式にそれを解除するという形だ。これならば正式にOculus Riftをサポートする必要もなく、Riftユーザにコンテンツを販売するチャンスを逃すこともない。
あるいは、特にロックせずに販売することもあり得る。対応プラットフォームには記載されていないが、Oculus Riftでも動いてしまうというパターンだ。
ZeniMaxの裁判がどのように展開するかが不明な現在、ベセスダにとってもRiftのユーザにとってもメリットのある方法ではある。
ベセスダが手がけるVRタイトルの対応するプラットフォームとしてOculus Riftが発表されていないのは、親会社であるZeniMaxの事情を考慮すると仕方がない。だが、発売時や発売後にこっそりとRiftでも動作するようになっていることは十分あり得る。
対応プラットフォームとしてPSVRのみが発表されているVR版のスカイリムも、HTC ViveやOculus Riftでプレイできるようになる可能性は高い。PCベースのハイエンドヘッドセットが1台あれば、多くのタイトルが遊べるかもしれない。
参照元サイト名:Road To VR
URL:http://www.roadtovr.com/despite-parent-companys-legal-trouble-oculus-bethesda-says-plan-supporting-many-platforms-can/
参照元サイト名:Upload VR
URL:https://uploadvr.com/bethesda-will-bring-skryim-fallout-4-vr-many-platforms-can/
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