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2017年6月12日未明、Microsoftは新型ゲーム機「XBox One X」を発表した。同ゲーム機はコードネーム「Project Scorpio」として、以前より仕様がたびたび報じられてきたのだが、発表された仕様は予想通り「世界最高」であった。ただし、VR非対応ゲーム機というカテゴリーのなかでは、という限定がつくが。
同ゲーム機の主な仕様は以下の通り。
CPU | 8G |
ビデオカード | 12GB GDDR5 |
HDD | 1TB |
データ転送速度 | 326 GB/s |
ディスプレイ解像度 | 4K、HDRサポート |
そのほかに特筆すべきは、世界最高スペックを誇りながら、世界最小サイズであることも謳っている。そして肝心の発売日だが、2017年11月7日に$499(約¥55,000)で発売される。
だがしかし、コードネームで呼ばれていた時は度々VR対応であることが報じられていたのだが、発表された同ゲーム機の仕様には公式ページのどこをさがしても「VR」の文字がない。
もっとも海外メディアRoadtoVRは、同ゲーム機の発表と同時に公開されたトレーラー動画の画質(とくにレースゲーム「Forza 7」を参照して)からVR対応するのに十分なスペックがあると断言している。
また海外メディアUploadVRも、2017年6月14日から16日までアメリカ・ロサンゼルスで開催される世界最大のゲーム見本市「E3 2017」において、XBox関連でVRについて発表することはない、と報じている。
以上のような現状から同ゲーム機がVRに対応することはない、と結論づけるのは早計である。というのも、過去の同ゲーム機に関するMicrosoftの発表を追っていくと、同ゲーム機リリース当初はVR非対応であることはむしろ既定路線であることがわかるからだ。
まず、本メディアが2016年10月24日に報じた記事では、同ゲーム機(当時はまだコードネームで呼ばれていたが)は「4KかつVR対応」であることが予告されていたのだが、開発を率いていたMicrosoft幹部Phil Spencerによると、同社が同ゲーム機対応のVRヘッドセットを製造することはない、と断言した。この発言からわかることは、少なくとも同ゲーム機リリースと同時に対応するVRヘッドセットもリリースされる可能性は低かった、ということである。そして、実際、今のところ同ゲーム機対応のVRヘッドセットは存在しない。
さらに、本メディアが2017年4月7日に報じた記事では、同ゲーム機に言及したMicrosoft公式ブログを引用していた。その引用箇所には、以下のような記述があった。
私たちは、WiondowsのMR(Mixed Reality)体験を、デスクトップPCとHololens以外のデバイスでも共有することに興奮しています。
私たちのプランでは、MR体験をXbox Oneのファミリー・デバイスであるProject Scorpioに2018年には導入します。
また、以上のブログで言及されているMR体験を可能とするWindows対応VRヘッドセットに関しては、本メディアの2017年5月12日の記事で報じた。同記事では、デバイスメーカーAcerが製造する$400(約¥44,000)とハイエンド型VRヘッドセットとしては廉価なデバイスの発表を報じた。このWindows対応廉価版VRヘッドセットは、HPも発売すると報じている。
このように過去記事をまとめると、「XBox One X」はVR Readyなゲーム機ではあるが、Windows純正VRヘッドセットは使用せず、各デバイスメーカーが製造・リリースする廉価版VRヘッドセットを使うことになる。さらに、そのVR対応時期も同ゲーム機と廉価版VRヘッドセットが十分に市場に行き渡る2018年以降であることが濃厚なのだ。
以上から、同ゲーム機に関してVRに関する公式な言及がないからと言って悲観することはないだろう。むしろ、Microsoftは先行しているPSVRに一挙に追いつく絶好のタイミングをうかがっている、と考えたほうが良いだろう。
XBox One X公式ページ
http://www.xbox.com/en-US/xbox-one-x
XBox One XがVR Readyであることを指摘したRoadtoVRの記事
http://www.roadtovr.com/project-scorpio-named-xbox-one-x-launch-date-xbox-vr/
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