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「バイオハザード7 レジデント イービル」はPSVRなしでもプレイ可能なゲームだが、PSVRを使用することで段違いの恐怖を味わえる…と口コミになった。
そんな傑作の後にリリースされ、再び「これは怖い!」と話題になっているVRゲームがある。
映画「パラノーマル・アクティビティ」を原作としたVRゲーム「Paranormal Activity: The Lost Soul」だ。
「Paranormal Activity: The Lost Soul」は、一人称視点のVRアドベンチャーゲーム。
映画「パラノーマル・アクティビティ」を原作としており、「恐怖現象の起きる家」や「悪魔」「黒魔術」といった世界観は原作と共通している。
その一方でストーリーは原作と異なるものになっているため、原作未見という人でも楽しむことが可能だ。
ゲームシステムは、部屋を探索して謎を解いていく…というもので、謎解きしつつホラー現象を楽しむ…というもの。
現在Steamで早期アクセス版を購入可能だ。
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パラノーマルアクティビティのVRゲーム「Paranormal Activity: The Lost Soul」3月14日にリリース!
「Paranormal Activity: The Lost Soul」の原作となったホラー映画「パラノーマル・アクティビティ」の日本公開は、2010年。
当時は日本でも大ヒットし、人気となった。
あまりに人気になったため、名前をちょっとモジったB級映画(モックバスター映画と呼ばれる)が沢山レンタルビデオ店に並んだほどだ。
例えば「パラノーマル・エンティティ」とか…。
もちろん、本家「パラノーマル・アクティビティ」自体もヒットに乗じてシリーズ作をリリース。
スピンアウト作品も含めると、7作も作られている。
7作となると、仮に「Paranormal Activity: The Lost Soul」で原作に興味を持ったとしても、観る気力がわかない…という人も多いのではないだろうか。
そこでこの記事では、「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの概要についてシリーズを通じて紹介したい。
パラノーマル・アクティビティ [Blu-ray]
同棲中のカップル、ミカ(彼氏)とケイティー(彼女)が、夜な夜な怪奇音に悩まされ、招待を暴くべくハンディカメラで撮影を行い始める…というストーリー。
特徴的なのは、映画自体がミカによって撮影されたフィルムであるということ。
つまり、「パラノーマルアクティビティ」という映画は、実際にあったこととして公開されている。
事件の起きた家からこんなビデオテープが発見された…という前提なのだ。
こうした前提を持つ作品のことを「ファウンド・フッテージ」と呼ぶ。
…とはいえもちろん、実際にあったわけではなくフィクション。
ややこしいが、「実際にあった」という体(てい)でフィクションを楽しむ…という作りだということ。
ネタバレは割けるが、ラストはなかなか衝撃的なシーンが待っている。
パラノーマル・アクティビティ2 [Blu-ray]
一作目「パラノーマル・アクティビティ」の続編だが、時系列としては「パラノーマルアクティビティ」のちょっと前のできごとが描かれている。
舞台となるのは、一作目に登場したケイティの妹、クリスティの家。
やはり怪奇現象が発生し、カメラで撮影することになる…という流れ。
作中には、ケイティも登場する。
パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT [Blu-ray]
「パラノーマルアクティビティ2」があるのに第2章ってどういうこと!?と思うかもしれないが、れっきとした公式作品。
「ファイナルファンタジーXI」があるけど、「ファイナルファンタジーX-2」も出てた…と思えば納得できるのでは!?
アメリカ旅行中にケイティを轢いてしまった日本人女性が、日本帰国後、自宅で弟とともに怪奇現象に悩まされる…という内容。
もちろん、その現象をカメラで撮影する…という形で展開する。
日本人の監督が日本人俳優によって撮影しており、Jホラーのニュアンスが感じられるのが特徴。
パラノーマル・アクティビティ3 [Blu-ray]
「パラノーマルアクティビティ2」よりも時系列的にさらに前、ケイティ・クリスティ姉妹の幼少期のころを描いた作品。
姉妹とその家族が体験した恐ろしい超常現象を、ホームビデオで撮影した…というもの。
第一作「パラノーマルアクティビティ」、第二作「パラノーマルアクティビティ2」より5年後が舞台。
両親・弟とともに暮らす女子高校生、アレックスが主人公。
向かいの家に住んでいる母子家庭の子ども、ロビーの母親が救急車で運ばれてしまったため、アレックスの家でロビーを預かることになったことから怪奇現象が発生。
パソコンを使って家の監視を始める…という内容。
タイトルにナンバリングがされていないことからも分かるが、正式な続編ではなくスピンオフタイトル。
魔女や悪魔といった設定は引き継いでいるものの、ストーリー的なつながりはほとんどない。
また、それまでのシリーズ作品が固定カメラで怪奇現象を監視するという展開だったのに対し、本作では手持ちカメラによる撮影が用いられたことも特徴。
シリーズ最新作。時系列は「パラノーマルアクティビティ4」の後。
ライアンとエミリー夫妻が住む家に、ライアンの弟、マイクがやってきたところから物語は始まる。
ライアンとマイクはその家に以前住んでいた一家が残していったと思われる古いビデオカメラとVHSテープを発見。
ビデオカメラやVHSテープを利用したところ、怪奇現象が発生するようになったため、家中に監視カメラをしかける…という展開。
「シリーズ完結編」という触れ込みだったものの、謎は残されており、内容的には完結したとは言い難い内容。
「パラノーマル・アクティビティ」シリーズは、実はVRと非常に高い親和性を持つ映画作品だ。
その理由は2つあり、ひとつめはフィクションでありながら、「実際にあった」という体(てい)で作られていること。
つまり、VR技術とは全く異なった形で「これは現実なんですよ」という表現を行っているのだ。
こうした作品を「モキュメンタリー」と呼び、「パラノーマル・アクティビティ」以外の代表的な作品としては、映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が挙げられる。
いずれの作品も、映画の内容は「実際にあった」…つまりドキュメンタリーとして作られているので、観客は映画に自分事としてかかわることができる。
そして、「自分事」感をさらに強めているのが、ふたつめの理由、「POV」と呼ばれる方式で撮影されていることだ。
「POV」というのは、一人称視点のこと。
ゲームにおいては「FPS」などで一般的な視点だが、通常の映画では、シーンの中心となっている登場人物をカメラに収めるのが一般的なため 滅多に一人称視点が取られることはない。
そもそも、通常の映画では「カメラ」の存在が意識されていない。
映像である以上、どこかで誰かがカメラで撮影しており、カメラマンがいるのだが、それは映画というエンターテイメントのお約束として観る側は「なかったこと」として鑑賞する。
一方、「POV」を用いた映画は、カメラマンも映画内に登場し、このカメラマンのカメラによって映画が撮られている。
たとえば、「パラノーマル・アクティビティ」では主人公達によって家にカメラが設置され、その映像が映画になっており、それ以外のシーンでも、映画内に含まれている以上、何らかの形でカメラが回っていた…という設定だ。
一方、映像の世界を体感することが価値のメインとなっているVRコンテンツも、多くの場合一人称視点を採用している。
したがって、「POV」とVRの親和性は高い。
また、架空の世界を現実として体感させようという「モキュメンタリー」形式も、VRと親和性が高いといえる。
このため、「POV」や「モキュメンタリー」といった表現を用いることで、今後VRコンテンツ内に新たな「リアリティ」を持ち込めるのではないだろうか。
「パラノーマル・アクティビティ」や「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」といった作品は海外作品だが、実は日本にもモキュメンタリー映画は存在している。
「放送禁止」「ノロイ」「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 」といった作品だ。
特に「放送禁止」は、映画ではなくテレビ番組なのだが、「パラノーマル・アクティビティ第2章 TOKYO NIGHT」を撮影した監督によって撮影されているため、「パラノーマル・アクティビティ」が好きという人にオススメだ。
また、いずれも、日本のテレビ番組を模した形になっており、パロディ的に楽しむことができる。
「Paranormal Activity: The Lost Soul」を体験した人や、「パラノーマル・アクティビティ」ファンにはもちろんんこと、VRにおける新たな表現を模索しているクリエイターにもオススメしたい。
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