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離れて暮らす親とのコミュニケーション、うまくできていますか?
高齢の親をサポートする「介護」は、単に身体の世話だけではなく、心の距離をどう保つかという側面もあります。特に遠方に住む家族にとっては、ちょっとした会話すら難しく、「もっと連絡したいのに、なかなかできない」というジレンマを抱えることも少なくありません。
TQコネクト株式会社が2025年5月に実施した調査によると、遠距離介護をしている人の7割以上が「親との連絡が足りていない」と感じていることがわかりました。理由はさまざまですが、携帯電話の操作に不慣れだったり、施設に入っているために自由に連絡できなかったりと、技術的・物理的な壁が大きな課題として浮かび上がっています。
こうした状況を受け、家族と簡単につながることができる仕組みへの関心が高まっています。TQタブレットという、操作不要でテレビ電話が自動的につながる仕組みにも注目が集まっています。
今回の調査結果は、介護とテクノロジーが交わる今の時代を象徴する一つのシグナルと言えるかもしれません。本記事ではその詳細を見ていきます。
今回の調査では、「親との連絡をもっと取りたい」と感じている人が全体の41.5%にのぼりました。特に注目すべきは、親と離れて暮らしながら介護をしている“遠距離介護”のケースで、実に72.2%の人が「理想の連絡頻度に届いていない」と答えています。
理想として挙がったのは「週に1回以上」の連絡。なかには「毎日話したい」と答えた人もいました。
しかし実際には、63.0%の人が「月に数回以下」しか連絡を取れておらず、日常的なやりとりが難しい状況が浮かび上がっています。
このギャップの背景には、移動の負担や生活スタイルの違いだけでなく、親が高齢で携帯電話の扱いに不慣れであることや、介護施設に入居していることで連絡が事務的になりがち、といった事情も見えてきます。「必要な用事の確認だけになってしまう」「気軽な会話ができない」といった声もあり、単なる“回数”だけではなく、心のつながりの薄さが課題になっていることがわかります。
連絡頻度の問題は、介護する側の「もっと話したい」という気持ちと、環境や手段がそれを許さないという現実との間にある、見えにくい壁を浮き彫りにしています。
親との連絡が思うように取れない理由には、単純な“回数の少なさ”だけでなく、会話そのものの難しさもあるようです。
今回の調査では、親とのコミュニケーションで「同じことを何度も説明しなければならなかった」と答えた人が41.0%、「話がうまく伝わらなかった」とした人が39.6%にのぼりました。また、「相手の体調や気分がわからず不安になった」と感じた人も24%近くおり、言葉のやりとりがかえってストレスになることもあることがうかがえます。
さらに注目すべきは、コミュニケーション手段の内訳です。主な連絡手段は『訪問』が69.8%、『音声電話』が42.6%と、多くがアナログな手段に頼っているのが現状です。一方で、LINEなどのメッセージアプリは9.5%、ビデオ通話はわずか1.8%にとどまり、デジタルな手段はほとんど活用されていません。
高齢の親世代にとって、スマートフォンの操作は必ずしも簡単ではなく、通話中に誤って電話を切ってしまったり、文字の入力に手間取ったりすることも多くあります。だからこそ、「つながっていても伝わらない」「通じていても気持ちがすれ違う」といった、コミュニケーションにまつわる小さなすれ違いが、介護する側・される側双方の心にじわじわと負担をかけているのかもしれません。
コミュニケーションの頻度や伝えづらさに悩む介護世帯において、いま最も求められているのは、もっと気軽につながれる仕組みです。
調査によると、「気軽に連絡できる仕組みがあれば利用したい」と回答した人は全体の59.5%にのぼりました。具体的な理由としては、「施設に入居していてなかなか会えない」「携帯電話に出てくれないことがある」「操作ミスで通話が切れてしまう」「簡単にビデオ通話ができる機器がほしい」など、現在の手段では思うように連絡が取れないという切実な声が多く寄せられています。
特に、スマートフォンやアプリの操作に慣れていない高齢者にとって、現在主流となっているデジタルツールは“簡単そうで難しい”という壁が存在します。また、介護施設側にも「機器の操作や管理に負担がかかるのではないか」といった懸念があることから、導入が進まないケースもあるようです。
それでも、家族の多くは「たった数分でも声が聞けたら安心できる」「顔を見るだけで気持ちが落ち着く」といった、小さなつながりの重要性を感じており、それを実現する仕組みに強い関心を持っています。
この調査結果は、技術的な進化よりも“使いやすさ”が求められていることを示していると言えるでしょう。介護世帯に必要なのは、高機能なツールではなく、日々の生活に自然と溶け込むような“やさしい技術”なのかもしれません。
【調査概要】
本調査は、TQコネクト株式会社が2025年5月27日に実施したもので、現在介護を必要とする親がいる60〜70代の男女(同居中を除く)200名を対象に、FreeasyのWebアンケート形式で行われました。
※TQコネクト調べ
※回答の割合は端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
こうしたニーズに対する一つのアプローチとして、TQコネクト株式会社が提供する「TQタブレット」が注目されています。
この端末の特徴は、利用者自身が操作をしなくても家族とのテレビ電話が自動で始まるという点です。
たとえば、家族のスマートフォンからTQタブレットに発信すると、10秒後には自動的にテレビ通話が始まる仕組みになっており、受け取る側はボタンを押す必要がありません。スマホ操作に慣れていない高齢の親でも、無理なく使えるように設計されています。
また、「TQタブレット」はテレビ電話に加え、写真付きのメッセージ共有機能にも対応しており、日々のちょっとした出来事や季節の便りを伝える手段としても活用されています。こうした工夫が、離れていても家族の存在を身近に感じる手助けとなります。
もちろん、すべての家庭や施設にとって必ずしも最適な解決策とは限りません。通信環境の整備や設置場所の問題、費用面など、乗り越えるべき課題もあるでしょう。ただ、「使う人が何もしなくてもいい」「ただ“つながる”ことに特化している」という設計思想は、現在の介護コミュニケーションの課題に非常にマッチしていると感じられます。
テクノロジーが「便利」から「やさしい」へと進化していく中で、TQタブレットのような仕組みは、介護の現場における新たな選択肢の一つとして注目されていくのではないでしょうか。
今回の調査から見えてきたのは、「もっと連絡を取りたい」という家族の想いと、それを妨げる小さな障壁の積み重ねでした。
遠距離介護という状況下で、会いたくても会えない、話したくても伝わらない——そんな“つながりにくさ”は、今や多くの家庭が抱える現実です。
音声通話や訪問だけに頼るコミュニケーションには限界があり、だからこそ「何もしなくてもつながる」「高齢者に負担をかけない」仕組みへのニーズが高まっています。TQタブレットのようなツールは、そのニーズに応える一例として、介護とIoTの交差点に立っている存在だと言えるでしょう。
今後、少子高齢化の加速とともに、介護のあり方も変化していきます。そこで求められるのは、最新技術の導入そのものではなく、**人と人とをやさしく結び直すための“仕組み”や“配慮”**です。
介護の現場におけるテクノロジーの活用は、単なる効率化のためではなく、「家族の時間」を取り戻すための手段でもあります。
距離を超えて心が通い合える社会を目指して、今後もこうした取り組みに注目していきたいところです。