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東京, 2024年3月25日 - (JCN Newswire) - 富士通Japan株式会社(以下、富士通Japan)は、静岡県立静岡がんセンター(所在地:静岡県駿東郡、総長:上坂 克彦、以下、静岡がんセンター)様と共同で、このたび、全ゲノム解析とRNAシーケンシング(注1)を併用するゲノム検査に対応した「がんゲノム医療統合システム(がんゲノム検査業務支援・報告書作成システム)」を開発しました。
本システムにより、臨床現場において全ゲノム解析に求められる情報量と質が確保された報告書の作成が可能となり、医療従事者の業務負荷を軽減します。また、新たに、全ゲノム解析結果とRNAシーケンシング結果の統合解析を実現し、これらの解析結果などの膨大な情報をデータとして蓄積して、今後の薬剤開発や治療に利活用することで、患者により精度の高い情報の還元を支援するとともにゲノム医療の社会実装に寄与します。
がんゲノム医療の現状
がんゲノム医療とは、患者個人の遺伝子変異に基づいて、がんの治療方針検討などを行う個別化医療のひとつです。日本では2019年に、がんゲノムプロファイリング検査が保険適用され、臨床現場におけるがんゲノム医療が本格化されました。そして、がんにおける全ゲノム解析は現在、厚生労働省が推進する「全ゲノム解析等実行計画」に基づいて、解析結果を臨床現場で活用するための実証研究が進められています。
これらのゲノム検査は患者一人ひとりにより適切な治療法を提案できる一方、ゲノム検査の結果を含む患者の様々な情報をまとめる作業に医療従事者の負荷がかかっています。特に全ゲノム解析では、得られる情報量が膨大であり、患者の治療方針決定に重要な情報を抽出するなどの高度で専門的なスキルが求められます。そのため従事できる人員が限られており、がんゲノム医療の普及、全ゲノム解析への発展に向けた課題のひとつとなっています。
「がんゲノム医療統合システム」について
富士通Japanと静岡がんセンター様は、全ゲノム解析結果などの患者還元の拡大を目的として、新たに「がんゲノム医療統合システム(がんゲノム検査業務支援・報告書作成システム)」を開発しました。
主な特長
1. 検査結果報告書作成の半自動化とゲノムデータの活用を見据えたデータ蓄積
本システムは富士通Japanがサービス提供しているゲノム検査業務支援システム(注2)を改良し、全ゲノム解析結果やRNAシーケンシング結果などの大容量のゲノムデータの一元管理が可能です。 本システムでは、全ゲノム解析をはじめとするゲノム検査の結果および臨床情報をシステムに取り込み、検出された遺伝子変化に対して公共データベースの情報や研究情報を自動的に付加できることに加え、静岡がんセンター様の知見をもとに半自動的に検証結果報告書の草稿作成が可能となるため、報告書作成における医療従事者の負荷を軽減します。 また、報告書に追記した医療従事者の解釈・考察なども含めたすべての情報をデータベースに蓄積することで、次回以降の症例の評価に活用できるだけでなく、新たな治療開発研究や病態解析に関する研究におけるデータ活用が可能になります。
2. 全ゲノム解析とRNAシーケンシングの統合解析(注3)による患者へ提供する遺伝子変化情報の精度向上
本システムでは全ゲノム解析とRNAシーケンシングの統合解析によって、患者へ提供する遺伝子変化の情報の精度を高め、患者の治療方針決定に参考となる情報の提供をするとともに、検査結果の評価業務の負担軽減を実現します。
今後について
富士通Japanは、今回の事例をもとにサービスの機能強化や生成AIを用いた報告書自動作成の技術開発を行い、がんゲノム医療に関わる施設へ展開していきます。そして、次世代のがんゲノム医療の社会実装に向けてデジタル技術とテクノロジーを活用することで、ヘルスケアDXの実現に貢献します。
URL https://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/about/resources/news/topics/2024/0325.html
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