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岐阜県飛騨市の神岡町で、地域住民の医療アクセスを向上させるオンライン診療の実証実験が始まります。住民の健康維持に向けた新たな取り組みをご紹介します。
岐阜県飛騨市は、人口約22,000人で構成される小規模な市であり、高齢化や人口減少が深刻な問題となっています。このため、地域住民が医療機関を受診する機会が限られているのが現状です。特に、茂住地区は市街地から離れた山間部に位置し、医療アクセスの確保が急務となっています。そこで、MRTとして知られる企業が、飛騨市民病院と協力し、2025年1月からオンライン診療の実証実験を開始します。
本実証実験は、地域住民の医療機関受診機会を確保することを目的としており、特に高齢者や交通手段が限られる住民にとって大きな支援となることが期待されています。現地の看護師が神岡地区に出向くことで、医療システムのサポートを行う「DtoPwithN(Doctor to Patient with Nurse)」の形式を採用します。この方式では、患者が看護師の指導のもとでオンライン診療を受けることができ、さらに診療後には、処方箋が地域の薬局に送信されます。その後、薬局でオンライン服薬指導を受けた後、薬が自宅に配送されます。
こうした取り組みは、医療資源が限られた地域においても、住民が質の高い医療を受けられる機会を提供することによって、地域医療の在り方を大きく変える可能性があります。飛騨市民病院は、オンライン診療のためにMRTが提供する医療DXシステム「Door」を活用し、効率的な医療運営を進める方針です。
今後、本実証実験は、地域住民の健康状態や医療ニーズに基づいた改善を図りながら、オンライン診療サービスのさらなる実用性向上と普及を目指します。MRTは全国約100の官公庁と自治体において医療DX化に取り組んできた経験を生かし、地域住民の声をしっかりと反映させながら、持続可能な医療体制の構築を目指す一環としてこの実証実験に取り組みます。
この実証実験を通じて、MRTは地域住民の健康を守るための新たな医療アクセスのモデルを構築することに尽力します。さまざまな課題に直面する山間地域において、医療支援がどのように展開されるかが注目されます。地域医療の現場におけるデジタル化の可能性についても、今後ますます多くの議論が展開されることでしょう。
詳しくは「MRT株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部糸井