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芝浦工業大学・早稲田大学・富士通が共同で、64量子ビット実機を使ったロボット姿勢制御手法を実証しました。量子もつれを活用し、逆運動学の誤差を最大43%低減。17関節モデルを約30分で処理する試算を示し、次世代ロボット開発の可能性を示しました。
本研究はロボット各リンクの向きや位置を量子ビットで表現し、順運動学を量子回路で計算するハイブリッド手法です。逆運動学の探索は古典最適化で行い、量子側は評価関数の高速化と精度向上を担います。親関節と子関節の相互影響を量子もつれで再現することで、従来法より少ない計算回数で解の精度が改善しました。
富士通の量子シミュレーターでは最大43%の誤差減を確認し、理化学研究所と富士通が共同開発した64量子ビット超伝導量子コンピューターの実機でも効果を実証しています。研究チームは芝浦工業大学の大谷拓也准教授、早稲田大学の高西淳夫教授、富士通の原伸之らで、成果はScientific Reportsに掲載されました。今回のアプローチはNISQ環境でも実装可能であり、ヒューマノイドや多関節マニピュレータのリアルタイム制御や複合目的最適化への応用が期待できます。量子もつれを組み込んだ評価で逆運動学の収束と精度が向上しました。64量子ビット実機での検証は、産業応用に向けた大きな一歩です。
詳しくは「富士通株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權