安藤ハザマとNTTは、IOWN技術を活用して山岳トンネル施工の遠隔化・自動化を推進すると発表しました。IOWN Global Forumで承認されたドキュメントを一般公開し、2026年3月までにPoCを開始する予定です。最大1,000km離れた拠点からの即時管理を目指す取り組みが、本格化します。

注目の4つのユースケース

安藤ハザマとNTTが示した4つの早期ユースケースは、現場の目視依存を減らし、安全性と生産性を同時に高める設計です。まず「定常的な監視とデータ収集(遠隔監視)」では、IOWN APNを通じて高解像度映像や各種センサデータをリアルタイムに集約し、AI解析で早期のリスク検知を実現することを目指します。

次に「施工中必要時のデータ分析(遠隔解析)」では、大容量の点群データ等を遠隔の計算資源で処理し、解析時間を工事を妨げないレベル(同社は60秒を目標)に短縮することを想定しています。三つ目の「モバイル検査(遠隔臨場)」は、取り回し可能な高精細カメラと低遅延伝送により、検査者が遠隔からピンポイントで確認る体制を構築します。四つ目の「通信ファイバを活用した維持管理(モニタリング)」では、施工時に敷設した光ファイバをセンシングに転用し、延長方向の歪みや加速度を常時監視して経年変化や異常を早期発見できる仕組みを想定しています。

これらはIOWN APNの大容量・低遅延、光パスのオンデマンド切替といった特性を前提としています。安藤ハザマはi-NATM®など既存システムとの連携を視野に入れ、NTTは光パスの柔軟な切替やAI活用技術の実装性を検証する計画です。PoCでは通信性能、解析の有効性、運用耐久性を段階的に評価し、その結果をリファレンス実装モデルへ反映する予定です。国内外展開も視野に、現場での実装可能性と効果を示すことが期待されています。

IOWNを基盤にした遠隔監視・解析は、現場の安全性と生産性を同時に高める可能性があります。PoCの成果が現場導入の鍵を握ります。

詳しくは「NTT株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 安藤ハザマ×NTT、IOWNでトンネル施工の遠隔化・自動化を本格化