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NTTの「AIエージェント自律協調」は、エージェント同士が対話で互いの意図をすり合わせ、一貫性のある戦略や多角的な企画を自律的に生成する技術です。ACL2025での発表と実験で有意な品質向上が確認され、DX現場で即戦力となる可能性を示しました。
NTTは、対話を通じて互いの「歩調」を合わせながら複雑タスクを解くマルチAIエージェントの自律協調基盤を開発しました。各エージェントがエピソード記憶と意味記憶の二層で知識を蓄え、チーム会議と専門家エージェントの動的生成で認識を擦り合わせることで、部門横断のブランディングや多角的ビジネスプランのような「一貫性・実現性・具体性」が要求される業務に強みを発揮します。
本技術は対話による知識の相互チェックと蓄積再利用で出力精度を高め、紅茶を題材とした実験ではRougeで平均14.4%改善、知識再利用時は17.2%改善を確認しました。PoCでは適用ドメインの限定、定量・定性評価の併用、監査ログやフィードバック設計、合意形成の明文化を重視すべきです。一方、対話設計精度、説明責任・バイアス対策、機密ナレッジ管理、組織受容性といった課題にも対応が必要です。
この研究で新たに明らかになった点は、AI同士の対話がアウトプットの整合性と継続的改善に直接寄与する可能性があることです。今後はPoCを通じて現場適用性が検証され、部門間調整コストの低減、企画品質の向上、蓄積ナレッジの再利用による継続的な改善といった効果が期待できます。