最近、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展と課題が明らかにされました。この調査は2024年の日本企業のDX状況に続き、初めて米国とドイツの企業のDX施策も比較対象としています。調査の結果は、各国のDX推進における違いを浮き彫りにし、企業が今後取り組むべき戦略を示唆しています。

調査結果から見えてきたのは、日本企業のDXへの取組は米国やドイツと比較して進展が遅れているという現実です。特に、DXが経営面にもたらす成果において、日本はコスト削減や製品提供日数の短縮を重視している一方、米国とドイツでは利益や売上の増加、市場シェアや顧客満足度の向上が重視されています。このように、各国間でのDX施策の実施傾向には大きな違いがあります。

業務プロセスの最適化についての調査結果は、日本が個々の業務プロセスに焦点を当てて最適化を進めていることを示しています。しかし、米国やドイツの企業は全社的な最適化に取り組んでいる割合が高く、一貫した戦略を持つことが成功に繋がっています。このような部分最適と全体最適の違いは、長期的に見ると企業の競争力に大きな影響を与えるでしょう。

日本におけるDX推進人材の確保状況は依然として深刻です。「やや不足している」や「大幅に不足している」と回答した企業の割合は合計で80%以上に達し、大半の企業が適切な人材を確保できていない実態が浮き彫りとなっています。一方、米国とドイツでは「やや過剰である」や「過不足はない」という回答がそれぞれ7割と5割程度であり、デジタル人材の育成や確保が進みつつあることが示されています。

この調査結果は、日本企業がDX推進において直面している課題や成功事例を明確にするもので、今後の戦略を再考するきっかけとなります。日本企業は、単なる業務効率化にとどまらず、全体最適を図り、マーケットや顧客に対して提供する価値を見直す必要があります。そして、DXを進めるためには、適切な人材の確保や育成が不可欠であり、全社的に取り組む姿勢が求められます。

詳しくは「独立行政法人情報処理推進機構」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 日本企業のDX、遅れが浮き彫りに…米独との比較で見えた進むべき道