- 週間ランキング
近年、金融業界における技術革新は目覚ましいものがあります。その中でもAI(人工知能)の進化は、多くの企業に新たなビジネスモデルの構築や業務効率向上の可能性をもたらしています。株式会社三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は、「AI-CEO」の開発を通じて、AI技術の活用を加速しています。本記事では、AI-CEOの導入が同社にどのような変革をもたらすのか、その背景や目的、今後の展望について考察します。
三井住友銀行は、顧客サービスや業務の効率化を図るため、AI技術を積極的に導入しています。特に、役職員とAIが共に働く環境を構築することが、組織の持続的成長には不可欠であると考えています。この戦略の一環として誕生したのが「AI-CEO」です。これは、グループCEOである中島達を模倣したAIモデルであり、社内での相談役として役職員の業務に寄与することを目的としています。
「AI-CEO」は、OpenAIのGPT-4を基に開発されており、AIチャットボットとして役職員とのコミュニケーションを図ります。このAIチャットボットは、役職員が投じた質問に対し、過去の発言を参考に「中島達らしい」回答を生成します。この機能により、役職員は身近にAIを感じ、日常業務にAIを活用することが促進されています。
さらに、AIアバターの開発も進めれており、インタラクティブな会話が可能になることで、さらなる業務支援が期待されています。これにより、高い経営的視座を提供し、社内文化の浸透を図ることが可能になります。
SMBCグループは、「AI-CEO」を通じて、以下のニーズに応えることを目指しています。
1. 顧客とのタッチポイントの利便性向上
AIを活用することで、顧客とのコミュニケーションがスムーズになり、サービスの向上が図られます。
2. 現場役職員の営業力向上
AIによるデータ分析に基づいた提案を行うことで、役職員の営業力が引き出されます。
3. 思考・意思決定支援
役職員がAIを活用することで、迅速かつ正確な判断が可能になります。
4. 業務の自動化
繰り返し行われる業務をAIに任せることで、役職員はよりクリエイティブな業務に専念できるようになります。
「AI-CEO」の運用は始まったばかりですが、SMBCグループは今後も役職員からのフィードバックを受け、機能の追加や改善を行っていく予定です。また、「AI上司」と呼ばれる新たなシステムの開発も進行中で、過去の取引データや顧客ニーズを基に、よりパーソナライズされた提案を行うことを目指しています。
三井住友銀行の「AI-CEO」は、AIと人間が共に働く新たなモデルを提供するものであり、業務の効率化やサービスの向上に寄与することが期待されています。これにより、SMBCグループは「AI-leading Financial Institution」としての地位を確立し、新たな価値を創出していくことでしょう。
詳しくは「株式会社三井住友フィナンシャルグループ」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松