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少子高齢化が進み、鉄道事業者の従業員減少が喫緊の課題となる中、鉄道の安全運行をどう守っていくか。この難題に、BIPROGYとJR東日本がタッグを組んで開発した「生成AIを活用した復旧支援システム」が、新たな答えを提示しました。この画期的なシステムは、鉄道の安定輸送と従業員の業務負担軽減を両立させる、まさに鉄道DXの切り札となるでしょう。
BIPROGYがJR東日本に提供を開始したこのシステムは、通信設備の故障発生時に、時系列で入力された情報をもとに、生成AIが過去の類似事例を瞬時に抽出します。そして、故障原因の特定や復旧作業の手順をレコメンドすることで、指令員の業務を強力にサポートします。
従来、指令員はマニュアルを頼りに原因特定を行っていましたが、時間がかかり、復旧が難航することもありました。このシステムが導入されたことで、以下のような大きな効果が期待されます。
このシステムは、従来の機械学習AIとは一線を画しています。従来のAIは、導入範囲を拡大する際に膨大な教師データと学習作業が必要でしたが、このシステムは生成AIを活用することで、短期間かつ低コストでの適用範囲拡大を可能にしました。
さらに、今後の機能拡張も予定されており、2025年度内には、指令員と現場作業員の無線通話をAIが自動で文字化・要約する機能も追加されるとのことです。これにより、復旧作業時の情報伝達がさらにスムーズになることが見込まれます。
BIPROGYは、今後も「スマートユニサイト for Railway」などのサービスで得られるデータを活用し、鉄道事業者の輸送品質維持・向上を支援していく方針です。このシステムは、鉄道保全業務におけるDXの強力な推進力となるでしょう。
詳しくはBIPROGYまで。
レポート/DXマガジン編集部