「仮説に悩む前に、とりあえず聞く」——そんな時代が来ているのかもしれません。いま、マーケ担当者の3人に1人が月1以上で使うのが“セルフリサーチ”という手法。変化に強い企業が選ぶ新しい情報収集のスタイルと、そこに潜む落とし穴とは?

リサーチの常識が変わる?クイック&ライトな調査が主流に

マーケティングアプリケーションズとプロダクトフォースが共同で実施した「セルフリサーチサービス利用実態調査2025」によると、調査対象の310名のうち33.5%が「月に1回以上」セルフリサーチを実施していると回答。今後の利用増加を見込む声も42.6%にのぼり、すでに市場は確かなニーズを獲得しつつあります。

42.6%のユーザーがセルフリサーチサービスの利用は増えると回答

セルフリサーチとは、クラウド型の調査ツールを使い、企業が自ら仮説検証やターゲット調査を行う仕組み。その最大の魅力は、「速さ」と「安さ」にあります。中でも、「やり取りの手間がない(40.6%)」「自分でスケジュール管理ができる(40.3%)」という柔軟性が、変化に対応したい現場に刺さっているようです。

利用用途は2024年度に続き「初期の仮説検証」が最多、またクライアントワークでの活用も拡がる

一方、利用目的は「仮説検証(56.8%)」「コンセプト受容性の確認(51.3%)」など、新規事業や商品開発のフェーズが多数派。「クライアントの要望に応えて使う」という回答も前年の2倍(9.1%→20.6%)に増加し、広告・コンサル現場でも“セルフ”が当たり前になりつつあることがうかがえます。

「速さ」と「安さ」が利用の最大のメリット、手軽さや柔軟性に対してのニーズは高まる

しかし、課題もあります。特に、「データの信頼性」「設問設計の難しさ」「解析にかかる時間」といった声が多く、ユーザー自身に一定のリサーチリテラシーが求められる点が浮き彫りに。

また、新たなトレンドとして生成AIによる情報収集が45.2%と高スコアを記録し、「社内メンバー・知人へのヒアリング」が昨年比で大きく減少。“人に聞く”から“AIに聞く”へのシフトが進んでいることも明らかになりました。

セルフリサーチは、調査会社がカバーしきれなかった“スピード重視型ニーズ”への回答として今後も拡大が見込まれます。ただし、「安かろう悪かろう」の懸念を払拭し、誰でも迷わず設計・分析ができる支援体制の充実が、今後の成長のカギとなるでしょう。

詳しくは「株式会社マーケティングアプリケーションズ」まで。
レポート/DXマガジン編集部 海道

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 【月1でリサーチ】3人に1人が実施!“速さと安さ”で急成長するセルフリサーチ市場のリアル