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セガと乃村工藝社は、東京慈恵会医科大学附属病院母子医療センターの小児部門において、子どもたちと保護者に親しみや安心感を与える空間づくりを目的としたリニューアルを実施しました。2024年12月6日に発表されたこの取り組みは、1階のエントランスと5階の処置室を対象に、セガのキャラクター「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」や「ぷよぷよ」を活用して、病院内での居心地を向上させるデザインが施されています。
このプロジェクトは、東京慈恵会医科大学小児科学講座の大石公彦診療部長・講座担当教授の想いを起点にスタートしました。アメリカでの医療経験を持つ大石教授は、日本の病院が新しく美しい施設を提供している一方で、子どもたちや家族にとって「心地よい空間」であるかについて課題を感じていました。その中で、子どもたちが安心して通院し、治療への不安を和らげられる環境を作りたいという考えを持ち、セガと乃村工藝社の協力を得て実現しました。
プロジェクトのコンセプトは「ものがたりのある病院」です。これは、子どもたちが治療を受ける中で、自ら治療に向き合い乗り越える力を養う空間を作るという目標に基づいています。セガのキャラクターが登場するオリジナルストーリーが展開される病院空間で、子どもたちは治療を「冒険」として捉え、主人公=ヒーローとして前向きに治療に取り組むようデザインされています。
母子医療センターの1階エントランスは、外来患者の子どもたちとその保護者が快適に過ごせるようデザインされました。空間にはセガのキャラクター「ソニック&フレンズ」のグラフィックが随所に配置され、親しみやすく温かみのある待合室が作られています。この空間は、病院を舞台とした「ものがたり」の序章としてデザインされており、キャラクターが子どもたちと共に病気に立ち向かう姿を通じて、治療を支えるメッセージを込めています。
医療従事者とのディスカッションで明らかになった子どもたちの「処置室への不安」を軽減するため、5階処置室のデザインには特別な工夫が施されました。廊下から「ぷよぷよ」が誘導するデザインが採用され、処置室内にはぷよぷよの映像が流れるようにしました。子どもたちが大好きなキャラクターがいることで、治療への恐怖感を少しでも和らげ、リラックスできる空間を目指しています。
セガと乃村工藝社は、今回の取り組みを第一歩として、「ものがたりのある病院」空間の段階的な展開を予定しています。子どもたちの心の負担を軽減し、前向きに治療を受けられる環境をさらに広げていく計画です。このプロジェクトは、単に病院のデザインを一新するだけでなく、子どもたちとその家族、そして医療従事者が快適に過ごせる空間づくりを目指した意義深い取り組みとして注目されています。
病院が治療だけでなく、子どもたちが心の安心を得られる場所へと変化していく未来を感じさせるこのプロジェクトは、医療空間の新たなモデルとなるでしょう。詳しくは「乃村工藝社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部折川