犬の鼻がいつも濡れているのはなぜ？乾燥しているときに確認すべきポイントとは

犬の鼻がいつも濡れている理由

犬の鼻を濡らしている正体は、鼻腺という器官から分泌されている液体（分泌液）と、涙腺から分泌されている液体（涙）です。

また、犬の鼻には「外側鼻腺」という特殊な腺があるのですが、この腺からは、粘性のある液体を分泌しています。

この粘性のある液体を分泌することによって、湿った状態を維持することができるのです。

また、犬が鼻を舐めたときに鼻の表面に唾液が付着することでも、湿った状態を作り出すことができます。

犬の鼻がいつも濡れている理由は、ニオイを敏感に感じ取るためです。

鼻を濡らしている水分に空気中のニオイ分子が付着することによって、そのニオイ分子をとらえることができます。

水分の量が多ければ多いほど、付着するニオイ分子の量も多くなり、その分、ニオイを敏感に感じ取ることができます。

犬がニオイを嗅ぐとき、鼻をペロッと舐める仕草をしきりに行うことがあるのですが、これは、鼻を濡らしている水分の量を調整するための仕草です。

鼻に唾液（水分）を付着させることで、付着するニオイ分子の量を増やし、より強くニオイを感じ取ろうとしているのです。

“犬は鼻がいい”と言われるのは、人間の数万倍、数十万倍、数百万倍もの嗅覚を持つとされているからです。数km先のニオイを嗅ぎ分けることができるとも言われています。

その優れた嗅覚を十分に発揮するためには、鼻が濡れているということが重要なのでしょう。

犬の鼻がいつも濡れている理由は、体温を調整するためです。

犬は人間のように大量の汗をかくことができません。暑いとき、肉球がほんのりと湿って感じられることがありますが、その程度の汗では上昇した体温を十分に下げることはできません。

舌や口の中の水分を蒸発させ、気化熱を発生させることで体温を下げる“パンティング”と呼ばれる行為はみなさんもご存じなのではないでしょうか。

その他の気化熱を発生させる方法として、鼻の水分を蒸発させるという方法があるのです。

犬の鼻が乾燥しているときは、室内の温度と湿度を確認しましょう。

空気の乾燥した季節には、室内の湿度が下がります。そうすると、いつも濡れている犬の鼻も乾燥しやすくなります。

また、冷房で部屋を冷やしすぎているとき、暖房で部屋を暖めすぎているときにも、室内の湿度が下がり、犬の鼻の乾燥の原因になることがあります。

犬が快適に過ごせる室内の環境として、温度は22℃を目安に、湿度は50％～60％を目安に調整してあげるとよいと思います。

寝ている間や起きてすぐのとき、運動をした後など、一時的に犬の鼻が乾燥することがあります。

しばらく経ってからいつも通りに濡れているようであれば問題ありません。

数日間、鼻が乾燥したままだという場合は長期的に乾燥した状態であると言えます。このようなときは、脱水状態や皮膚病を発症している可能性があります。

そのまま放っておくと、鼻の皮膚がひび割れたり出血したりすることがあります。数日も愛犬の鼻が乾燥しているときは、すぐに獣医師に相談しましょう。

犬の鼻がいつも濡れている理由を2つ解説しました。

「犬の鼻が濡れているのは健康な証拠だ」とよく言いますが、体の機能が正常に働いているという意味では、健康であるというサインだと思います。

もしも「いつもより濡れている気がする」と感じられるときは、黄っぽい粘性の鼻水や緑っぽい粘性の鼻水が出ていないかどうか、頻繁にくしゃみをしていないか確認してみましょう。

風邪（感染症）やアレルギーの症状である可能性があるためです。犬の鼻の濡れ具合に不安や心配があるときは、気軽に獣医師に相談してくださいね。

情報提供元：わんちゃんホンポ