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7歳以上のシニア犬に多く見られるため、シニア犬の食欲増加はクッシング症候群を発見するためのひとつの手掛かりです。
副腎から分泌されるホルモンが影響する疾患では、抜け毛や皮膚の黒ずみが見られるようになることも多いので、そのような変化があらわれたときも注意が必要です。
犬の食欲の増加に、脳腫瘍が影響していることもあります。
食欲は脳の視床下部にある中枢神経によってコントロールされるもののため、脳にできた腫瘍によって圧迫された場合などに食欲の減退や過剰などの異常があらわれるのです。
食欲の減退、過剰のどちらがあらわれるかは、腫瘍ができる場所や大きさなどによって異なります。
脳腫瘍の症状は、ふらつきや目の動きの異常、痙攣、感覚の消失、意識低下など様々なものが考えられます。
脳腫瘍の治療は、外科療法・化学療法・放射線療法とありますが、進行するほどむずかしくなってしまうため、少しでも犬の様子におかしなところがあれば動物病院で相談するようにしましょう。
犬の平均寿命は年々伸びてきており、最近では14歳程度とされています。シニア期と呼ばれる期間も長く、「認知症」を発症する犬も増加しています。
犬の認知症は、人間の認知症の症状とまったく同じわけではありませんが、「忘れる」という症状があらわれることはめずらしくありません。
しつけやトイレなど、これまでできていたことが年齢を重ねてできなくなってしまうのも認知症が影響していることも考えられています。
このようなことから、シニア犬が食事をしたことを忘れて、食事を何度もねだるようになることもあるようです。
認知症の発症や進行を遅らせるためには、年齢に合った運動をしたり遊んだりして心身に適度な刺激を与えることが大切だとされています。
また、認知症を防ぐためには、スキンシップやバランスの取れた食事などもとても重要です。
一般的に、シニア犬は運動量や代謝量が落ちることで、若い頃に比べて食欲が低下しやすい傾向があります。しかし、食事は健康を維持するためにとても大切なものなので、年齢を重ねてもしっかりと食事をしてくれることは喜ばしいことです。
ただし、突然異常な食欲が見られるようになったり、食べているのに痩せたり、ほかにも体調の変化があったりした場合は、何らかの病気が原因となっている可能性もあります。
病気の早期発見・早期治療をするためにも、シニア犬の様子におかしいと感じることがあれば、すぐに獣医師に相談することをおすすめします。