よくある「夏の犬連れお出かけトラブル」対策方法を現役獣医が解説
わんちゃんのいる夏、どうする?
わんちゃんがいるご家庭は、まずどのような計画を立てるかを決める前に、おうちのわんちゃんをどうするのかということを決めなければなりません。
この結果次第で出かける場所やプランも変わってくるのではないでしょうか。
一緒におでかけする
お出かけに慣れているご家庭や、わんちゃんが若くて元気な場合はこのケースが多いでしょう。
一緒にお出かけすることで思い出作りもできて、わんちゃんも飼い主さんも楽しめる可能性も高いです。
一緒にお出かけする場合にも考えなければならないことはたくさんあります。
- 移動手段はどうするのか
- 宿泊は一緒に可能なのか
- おうちのわんちゃんの今までの様子から、考えているプランは可能なのか
などが挙げられます。
まず、移動手段が自家用車なのか公共交通機関を使用するのかということです。
自家用車であれば普段から慣らすことも可能であり、被毛の飛散などほかの方への迷惑は考えずに済むため、わんちゃんにとっても負担の少ないたびになる可能性が高いです。
一方で公共交通機関を使用する場合、わんちゃんを一緒に乗せるためのルールがあることが一般的です。
使用する機関によってルールは異なるため、必要とするものを確認しなければなりません。
また、宿泊に関しても確認が必要です。
ホテルや旅館であれば、一緒に宿泊することが可能なのか、不可能であれば現地でペットホテルを探すなどの対策が必要です。
親戚やご実家などに宿泊する場合も、わんちゃんに対するアレルギーや事情があって一緒に宿泊できないこともあります。
あらかじめきちんと確認しておきましょう。
おうちのわんちゃんの現在の状況は把握できていますか?
考えているプランが、健康面やしつけの面、精神的な面などで無理はないかどうか改めて確認しましょう。
もし一緒にお出かけをする場合、飼い主さんだけが楽しめても、わんちゃんにとって大きな負担がかかるものであってはいけません。
現実的な問題として、今あるおうちのわんちゃんの現在の状況で無理のない範囲で一緒に楽しめるプランを立てましょう。
わんちゃんはお留守番させる
わんちゃんをお留守番させることが決まったら、預け先を決めましょう。
何日もするお出かけでわんちゃんだけをおうちに残してお出かけすることはおすすめできません。
また、夏休みなどの連休などはペットホテルがいっぱいになってしまい、予約を受けてもらえない場合もあります。
普段から預け慣れているペットホテルであれば早めに予約をとるようにしましょう。
ペットホテルへ預ける際にも、混みあう時期は常連さんのみの予約の承りをする場合や、動物病院に併設するペットホテルの場合はかかりつけのわんちゃんのみのお預かりとするなどの条件が付随する場合があります。
事前に近くのペットホテルの情報を調べておくことをおすすめします。
どうしてもわんちゃんを預けたり移動させられない
高齢である、持病があるなどのわんちゃんの場合、一緒に出かけることもどこかへ預けることも難しいというケースもあり得ます。
ペットシッターさんを家庭に招き入れるという方法もありますが、ご家族以外の方と触れ合うことが苦手な性格のわんちゃんや、ご家族の不在時に知らない方を招き入れることに抵抗がある場合に、難しい選択肢となるかもしれません。
高齢のわんちゃんで、お出かけ時に何があってもおかしくないような健康状態であれば、ご家族のどなたかが残って、わんちゃんと一緒にお留守番をするという選択肢も有意義と思います。
思い出作りも大切ですが、飼い主さんが後悔のないような選択をすることが最善です。
夏のお出かけ、会うのは家族だけ?
夏休みのような長期休暇の場合、わんちゃんと一緒に過ごすのは、普段から過ごし慣れているご家族だけではないケースも多いです。
たくさんの人や動物が一緒に過ごすからこそ起こるトラブルもあります。
家族だけでも普段から備えが大切
ご家族だけでわんちゃんと旅行をする場合、わんちゃんのことを理解している人が一緒に過ごすので安心であるように見えますが、実はそんなことはありません。
ご家庭では、わんちゃんのしそうないたずらなどを把握しているため、わんちゃんに届きにくい場所に物が置けたり、快適に過ごせる場所が確保されているケースが多いです。
しかし、おうちではない場所で全く対策のとられていない場所の場合、楽しい雰囲気で興奮などから食べてはいけないものを食べてしまったり、落ち着いてクールダウンできる場所がうまく見つけられず、ずっと興奮していて疲れたり体調を崩してしまったりすることがあります。
まずは滞在先についたら、わんちゃんがいたずらできそうなものの配置換えや対策を行うこと、安心してクールダウンできる場所を確保してあげることをおすすめします。
わんちゃんに慣れていない人も一緒に過ごすときは
夏の帰省に伴い、普段わんちゃんが触れていない親戚や近所の方と過ごす機会が増える場合もあるでしょう。
おうちにわんちゃんがいる方や、何度かすでに会ったことのある方の場合は安心ですが、初めてわんちゃんに触れる方やわんちゃんが苦手な方などの場合、トラブルに発展してしまう場合もあるため注意が必要です。
おうちのわんちゃんが苦手なことやもの、感情表現のサインなどについてあらかじめ伝えてあげると良いでしょう。
しつこくしすぎてわんちゃんが怒って噛んだり飛びついてしまうなどのトラブルも起こり得ます。
今までの飼い主さんとの信頼関係が破綻するきっかけになってしまうこともあるため、ご家族以外の方もいる場合は目を離さない、わんちゃんの居場所としてサークルやクレートを用意しておくなどの対策が必要なことも多いです。
実は人間だけではないときに気を付けたいいろいろ
気を付けたいトラブルは人間同士だけではありません。
滞在先にわんちゃんや猫ちゃんがいるケースも多いでしょう。
仲良く過ごすことも大切ですが、それだけでなく健康面にも関連する対策がとても大切なのです。
動物同士が同じ空間に過ごすことで、一方が何か感染をしていると病気を映しあってしまう可能性も考えられます。
寄生虫予防や混合注射などの対策は必ず行ってお出かけをしましょう。
おうちのわんちゃんが病気に感染してしまうという問題だけでなく、おうちのわんちゃんがきっかけでほかの動物さんに病気を感染させてしまう可能性もあります。
感染のきっかけにならないよう、飼い主さんの責任として対策や予防はしっかり行いましょう。
夏のトラブル対策
このように、楽しいお出かけの裏側で、たくさんのトラブルがつきものです。
せっかくの楽しい思い出が、トラブルへの対処の記憶だけで終わってしまっては悲しいですよね。
そのためにも対策は充分に行いましょう。
近隣の動物病院の調査はしっかりと
地域によって、動物病院の診療時間や診察をしてくれる体制は様々です。
特に夜間救急時には、高速道路などを使用して遠くまで行かないとみてもらえないケースもあり得ます。
近くの病院の診察時間や休診日、口コミをいくつか調べておくこと、夜間の診療時間外の場合はどの病院が診察してくれるのかなどの情報をあらかじめ調べておきましょう。
持病のお薬は必ず多めに持参しましょう
滞在期間は決まっていると思いますが、遠方であればあるほどに災害などで滞在期間が延長してしまうケースもあり得ます。
どの地域でも同じお薬の取り扱いがあり、同じように処方してもらえるとは限りません。
普段飲んでいるお薬は多めに持参をし、万が一それでも足りなくなった場合に、何のお薬をどのくらいの量飲んでいるのかを把握しておくことは大切です。
もしご自身で把握をするのが難しい場合、かかりつけの先生に手帳や診断書として記載していただいたものを持っておくと安心です。
健康診断の結果や保険証は必ず携帯を
もし体調を崩して普段かからない病院を受診する場合、持病が何なのか、普段からどのような傾向のある子なのかということが把握できていると診察がスムーズな場合が多いです。
また、診療費用が思ったよりも高額になってしまいそうで、治療の選択肢も狭まってしまう可能性もあるため、必ず保険証を持っておくと安心です。
病院や保険の種類によっては窓口での精算が難しい場合もありますが、保険に加入していることを伝えることで、保険の適用がされる治療方法などの提案をしてもらえたり、飼い主さんの精神的な安心にもつながるかもしれません。
まとめ
楽しいお出かけの裏側で、トラブルはつきものです。
対策をして、どのように対処できたか次第でトラブルもいずれは良い思い出として振り返れるかもしれません。
トラブルが後悔につながらないように、万全な対策が取れると良いですね。
そしてたくさんわんちゃんと思い出を作ってくださいね。
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