老犬の食欲が異常にある…何かの病気?4つの原因と飼い主がすべき対処法
食欲が衰えないのは元気な証拠!
一般的にシニア期になると食欲は衰えていくものではありますが、若い頃から食欲旺盛なわんこの場合、シニア期になっても食欲が変わらないのはむしろ歓迎すべきことです。食べることは元気の源。筋力や体力の衰えを防いでくれます。微笑ましく見守ってあげましょう。
肥満には注意
ただし食欲のままに与えすぎてしまうのはNG。シニア期になると基礎代謝や運動量も落ちるため、若い頃よりも必要とするカロリー量は少なくなります。
若い頃と同じように与えていると肥満の原因となり、肥満が新たな病気の発症や怪我を招く場合があります。上手に調節してあげましょう。
たくさん食べてるのに痩せていく?要注意の病気
一方、もともと食欲があったわけではないのに急に食欲旺盛になった場合、なおかつ、たくさん食べているのに痩せていくという場合には、下記のような病気が隠れている可能性があります。
1.クッシング症候群
クッシング症候群は、副腎から分泌されるホルモンの異常によって発症する疾患です。たくさん食べるのも特徴ですが、同様に水も大量に欲するようになって多尿になります。
痩せていくのにお腹がポッコリ出てしまったり、左右対称に脱毛するのも特徴的な症状です。特に中高齢のわんこで発症が多い疾患です。
2.糖尿病
クッシング症候群と似たように食欲増加、多飲多尿といった症状が見られるのが糖尿病です。言わずもがな、糖尿病はインスリンの分泌が少なくなり血糖値が高い状態が続いてしまう疾患を言います。
わんこの糖尿病は人間ほど多くありません。しかしながら、糖尿病にかかると合併症のリスクが高く、白内障や腎臓病、ケアドーシスなどでQOLが下がってしまいます。
3.悪性腫瘍
いわゆる癌の場合も、「癌性悪液質」と呼ばれる食べているのに痩せていく現象が起こります。これは摂取した炭水化物がわんこ自身の栄養にならず、癌細胞にとられてしまうからです。
癌を治そうとして食べさせることが、かえって癌細胞を太らせる結果につながりかねないため、炭水化物ではなく脂質、特にオメガ3脂肪酸を多く含む食材をメインに与えることが必要になります。
食べたのを忘れてしまっている可能性も
認知症
近年、わんこの平均寿命が飛躍的に延びたことによって増えてきたのが、わんこの認知症です。ごはんを食べたばかりなのにごはんを要求するといった場合には、「ごはんを食べたこと」自体を忘れてしまっている可能性があります。
わんこの認知症の特徴として、同じ方向にぐるぐると周回しつづける、昼夜逆転して夜間に無駄吠えするなどがあるため、これらの症状を併発している場合には認知症を疑うべきです。
特に柴犬などの日本犬や、日本犬ミックスでは認知症の発症リスクが高いことが知られています。
おかしいと思ったら動物病院へ
これまでご紹介した病気はどれも放置すると命に関わったり、シニア期のわんこのQOLを大きく左右するものです。少しでも「おかしい」「いつもと違う」と感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこは不調を言葉で訴えることができません。そのため愛犬の食欲の有無は、飼い主さんにとっては重要な判断材料の1つであり、健康のバロメーターでもあります。
ところが今回ご紹介したように、食欲があってもそれが病気に起因することがあるので注意が必要。シニア期という特別なライフステージだからこそ、食欲にミスリードされることなく、愛犬の健康状態を正確に把握して対処してあげたいですね。
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