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迷惑メール業界はとにかく相手にメールを開かせようと必死。あの手この手で引きのあるタイトルをひねり出して送りつけてきます。
2月に一度、迷惑メールの珍件名をまとめた記事を配信しましたが、そこから約5か月がたち、また少しずつカオスなタイトルが迷惑メールBOXに溜まってきました。
皆さんお待ちかね(?)詐欺業者渾身の新作たちを、注意喚起も兼ねてご紹介します。
迷惑メールの鉄板といえばやはり有名人。「え、あの人が?」という人の名前をタイトルにいれることで特別感を演出し、興味を抱かせるのがセオリー、と思っていました。しかし、もうなんでもいいみたいです。
件名:しょこたんを救いたい
本文:しょこたん…なにやってんだよしょこたん…ちっちゃいことは気にするな…わかちこわかちこ♪
Nintendo Switch2をめぐって騒動となっている“しょこたん”こと中川翔子さんに救いの手を差し伸べたい人からのメールです。一体誰でしょうか?本文の最後には「わかちこわかちこ」。ゆってぃさんのネタでした。なんで突然ぶっ込んできたのかは不明です。ただのノリ?
件名:新・金曜日の妻たちへ 主演:永野
本文:ゴッホより♪普通に♪ラッセンがー好っきぃー
「金曜日の妻たちへ」といえば、かつてTBS系列で放送されていた連続ドラマシリーズ。「不倫ドラマ」としても有名です。どうやらその新作が始まる……?しかも主演は「永野」。「不倫」「永野」とくれば思い浮かぶ人物は1人しかいません。永野m……いや芸人の方かーい。
件名:しもしも〜?デストラーデ?
本文:セリーグ パリーグ バッティング♪ グーググーググーグーコォー
西武ライオンズなどで活躍した元プロ野球選手のオレステス・デストラーデさんと間違われているみたいです。「しもしも〜?」という業界感あふれる呼びかけは、きっと平野ノラさん……ではなくエド・はるみさんでした。めちゃくちゃです。
迷惑メール業者はなぜか絶対に送り主になるはずのない「歴史の偉人・出来事」も使ってきます。もはや騙すつもりがあるのどうかも怪しいチョイスです。ひょっとしてタイムスリップしてきた偉人をあぶり出そうとでもしてるのでしょうか?
件名:俺だよ俺!ザビエルだよ!
本文:ハゲてるからって「ザビエル」なんてあだ名付けやがってwバカヤロウw
勢いがずるいです。ザビエルは絶対にそんな主張激しいタイプじゃないだろ。タイトルからはハンバーグ師匠を感じさせますが、中身は多分……ビートたけしさん?「コノヤロウ」まであれば断定できるのですが、さすがに「バカヤロウ」だけだと分かりません。たけしさんはハゲてませんし。ほかに考えられるのは誰だろう……。
件名:参勤交代のお知らせ
本文:集合場所は駅前です お弁当など飲食物は各自持参すること 江戸では方言に注意してください、通じません。
騙す気がなさすぎるタイトルです。「参勤交代?やべ、もうそんな時期だっけ?」と焦る人がいると思っているのでしょうか。お金も労力も尋常でなくかかるイベントなのに、まるで遠足に行くようなノリ。最後の「通じません」の唐突な辛辣さがツボです。
キャラクターの名前や有名作品のネタを放り込んでくるのも、迷惑メールの鉄板。子どもが間違えて「わあ!〇〇からメール来てる!」と思って開くのを期待しているのでしょうか?
件名:暗黒面に落ちた波平を救え!
本文:伊佐坂先生の新作です。カツオ君がフォースに目覚め波平さんを暗黒面から救うためになんちゃんらかんちゃら。
「サザエさん」の磯野家の隣に住んでいる小説家・伊佐坂先生の新作は、スター・ウォーズ関連本のようです。本編のノベライズ?それともスピンオフ?伊佐坂先生は恋愛小説家という設定だったはずですが、SFもいけるんですね。あと暗黒面に落ちた波平、ちょっと見てみたいです。シュコー、とか言うのかな。
件名:ポルンハブと賢者の僕
本文:っふぅー
なんだこれ?と思ってしばらく考えてしまいました。「ポルンハブ」は世界最大級のアダルトサイト「Pornhub」のことを指しているようです。それを踏まえて「賢者」「っふぅー」を読むと……おわかりですね?ド下ネタです。おそらく「ハリー・ポッターと賢者の石」をもじったものだと思われますが、原型がなさすぎです。
最後はどんな枠にも当てはまらないノンジャンルのタイトルを紹介します。
件名:【東京特許許可局】些細なお知らせ
本文:東京特許許可局、東京特許許可局、東京特許許脚局。あ、間違えた
だからなんだよ。
件名:受信箱に届け!
本文:お久しぶりです いつも「迷惑メールBOX」へ配送されていたメールですが 3年修業を積んだ今、満を持して受信箱へ送信します。ポチッ!
ちょっと技巧が凝らされています。まさかの迷惑メール視点の迷惑メール。「迷惑メールBOX」ではなく通常の「受信BOX」に届くよう、3年修行を積んだそうです。なんて健気なんでしょう。なお普通に「迷惑メールBOX」に届いていました。
紹介したメールはあまりに突飛すぎるので、件名だけ見て「え、うそ?本当!?」と本気で飛びつく人は少ないと思います。ただ、突飛で続きが気になるタイトルであるために、開封したくなるものなのもまた事実。
しかしこれらのメールはすべて迷惑メール、つまりは詐欺サイトなどへのアクセスをうながす目的で送られている可能性が高いです。
ですので「面白すぎる」と興味本位で飛びつくのも、実は危険。「別に自分は引っかからないから」と思っていても、誤操作でリンクを押してしまうこともありえるでしょう。もちろんふざけて返信するのなんてもってのほか。
メールの件名を面白がりつつも、常に「これは怪しいメールなんだ」という意識は忘れないようにしてください。
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025062102.html