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Facebookを利用していると、ついつい気になってしまう赤い「通知バッジ」。しかし近頃、この通知バッジに見せかけた偽広告からサポート詐欺へと誘導する手口が蔓延しています。
おたくま経済新聞では3月にもこの手口を取り上げましたが、最近になりさらに進化。「今すぐ押さなきゃ」と思わせるような演出が加わり、いっそうの注意が必要になってきました。
「通知バッジ偽装型」のサポート詐欺とは、Facebookの画面右端などに、本物そっくりな赤いバッジを装った広告を表示し、利用者をクリックへと誘導するのが最初の手口。
例えば、次のFacebookの画面ですが、右端にあるエリアに「通知バッジ」のようなものがあります。
これ実は「通知バッジ」ではなく広告なんです。紛らわしいですね。
そして、まんまとこれを押してしまうと「サポート詐欺」のサイトに繋がってしまい、ブラウザが制御不能になります。
画面には「(電話番号)へ電話してください」などガンガンでてきますが、かけると求められるのはサポート費用という名目の「お金」。ついでに「個人情報」もだまし取られてしまいます。
そしてこの「通知バッジ偽装型」の詐欺に最近新たな動きが出てきております。
それは、記載されている誘い文句がかなり必死になってきているのです。たとえば「とりあえず1つ返信してください」など、ユーザーに“自分が何か見落としている”と錯覚させる文言が増えています。
さらに、Facebookのタイムラインや広告欄に偽バッジが大量に出現。ページをジャックするかのような密度で配置され、圧倒的な異様さを放っています。
もはや「通知を装った巧妙な演出」というレベルを超え、「狂気」としか言いようのない状況。「押して!絶対に押して!」という詐欺師側からの強烈なメッセージが聞こえてくるようです。
では、この広告押すとどうなるか。
実際に広告を押してみると、サポート詐欺の典型パターンである「システムエラー風の画面」が出現。
さらに画面は全画面表示となり、マウスやキーボードの操作を一切受け付けなくなります。
結果的に、この危機的状況に表示された番号に「問い合わせるしかない」と思い込んでしまう人も少なくありません。
また、確認したところによると、Windows風のエラー画面だけでなく、Facebookのエラー画面風の演出を挟むなど、複数の亜種が存在しています。どのパターンであっても、ユーザーに不安を煽り、電話やクリックを誘導する点は共通です。
マウスやキーボードの操作を一切受け付けなくなった場合の離脱方法を解説しておきます。以前は「ESC」キーの長押しで離脱できたのですが、このケースではできませんでした。
まず行って欲しいのが、ネットワーク(インターネット接続)を切断すること。LANケーブルを抜く、Wi-Fi本体の電源を落とすなどで対応可能です。その後しばらくすると、操作できる場合があります。
情報セキュリティの情報を発信しているIPA(独立行政法人情報処理推進機構)によると、このケースでは「操作不能の偽メッセージが表示されている間に遠隔操作されたケースを確認しています」とのこと。必ずネットワークを切断することをオススメします。
ほかにも「Win:Ctrl+Alt+Deleteキー/Mac:Command+ Option+ Escー」で強制終了できる場合もあります。また、電源ボタンを長押ししてパソコンの電源を落とすという手も。
加えてその後の対応としてIPAが推奨しているのは「パソコンの初期化」。とはいえ、すぐには対応できないかと思いますので、とりあえずの対処でブラウザの履歴やキャッシュをクリア。ウイルススキャンの実施は最低限行ってください。
Facebookを運営するMetaも詐欺広告への対策を進めてはいるものの、詐欺側も手法を日々進化させており、現在は“イタチごっこ”の様相を呈しています。
さらに最近では、より巧妙にユーザーの注意をそらしながら、自然な流れでリンクを踏ませようとする手法が増えてきています。油断は禁物です。
この手の「詐欺」の対処法ですが、もし「サポート詐欺」の画面が出ても、慌てず冷静に対処することを心がけることが大事。電話をかけたり、リンクをクリックしたりしてはいけません。
また、不安な場合は一人で判断せず、信頼できる知人やPC販売店、正規のサポート窓口に相談するのが安心です。
<参考・引用>
IPA「パソコンの画面全体に偽のメッセージが表示され操作不能になる手口が増加中」
(たまちゃん)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By たまちゃん | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025042304.html