猫ちゃんの健康寿命がさらに延びるきっかけとなりそうです。ペット保険を手掛けるアニコム損害保険が、アメリカン・ショートヘアーのイエネコの遺伝情報を高精度に解読した研究成果を発表。

 「猫の日」である2月22日に『世界で最も精度の高い猫のゲノム配列』としてギネス世界記録に認定されました。先端医療への応用が期待されています。

■ 未解明だったイエネコの遺伝情報を新たに発見 早期診断や新たな治療法に期待

 遺伝子をはじめ、動物の体を形作る基盤情報である「ゲノム情報」は、オーダーメイド医療や再生医療などの先端医療分野で欠かせない存在。しかし、これまでイエネコにおいては未解明の部分があったために遺伝子の推定精度が低いという課題がありました。

 そんな中、アニコム損害保険と同社のグループ企業であるアニコム先進医療研究所が国内外の研究機関と共同研究を行い、2024年11月にイエネコの高精度なゲノム解読と未解明の遺伝子群を発見することに成功。「Anicom American Shorthair 1.0 (AnAms1.0)」という名前が付けられました。

 この成果はすでに遺伝性疾患のメカニズム解明やiPS細胞の樹立などの研究にすでに応用が始まっているとのこと。これにより、早期診断や新たな治療法の開発など、獣医療の新たな可能性を切り開くことが期待されています。

■ 2025年2月22日「猫の日」午後2時22分にギネス認定

 アニコム損害保険では、研究成果をより多くの人々に知ってほしいとの思いから、解読したゲノム情報の精度の高さをギネス世界記録に申請。

 外部研究機関の専門家によって厳格な審査が行われ、2025年の「猫の日」である2月22日の午後2時22分、「ニャン・ニャン・ニャン」の語呂が揃った瞬間に「猫で最も精度の高いゲノム情報」を示す「Highest QV for a cat reference genome(猫の参照ゲノムにおける最も高いQV値)」として認定されました。

 今回の認定にあたり、同社は「この研究成果にもとづくオーダーメイド医療や再生医療といった先進医療への応用によって、世界中の猫がより健康で長寿になるような研究開発を促進し、その普及啓発に向けて取り組んでまいります」とメッセージを発表しています。

■ ゲノム発見に貢献したアメリカン・ショートヘアーの研究員猫「仙豆ちゃん」

 今回の研究に大きく貢献したのが、アニコム先進医療研究所の研究員として活躍したアメリカン・ショートヘアーの「仙豆(せんず)ちゃん」。「ゲノムをはじめとした研究でたくさんの猫を元気にしたい、またこの子自身も元気でいてほしい」という思いから、漫画「ドラゴンボール」に登場するアイテム「仙豆(せんず)」を取って名付けられたそうです。

 大役を果たした仙豆ちゃんは現在、研究に関わった人の家庭で幸せに暮らしているとのこと。公開された報道資料に掲載されているその姿は、白衣が似合いそうなイケメンの風貌でで、未来を見据えるようにキリリとした目元と口が研究者の風格を感じさせます。

 猫ちゃんたちの健康寿命をさらに延ばす大きなきっかけとなる、今回の研究成果。世界中の猫ちゃんはもちろん、仙豆ちゃん自身もその恩恵を受けて、いつまでも長生きしてほしいですね。

情報提供:アニコム損害保険株式会社

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025031702.html
情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 「世界で最も精度の高い猫のゲノム配列」がギネスに認定、健康寿命延長へ一歩