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漫画「キン肉マン」に登場する悪魔将軍のマスクが、日本のものづくり技術を結集させてリアルに作られたことがあるのをご存知でしょうか。
広島県の精密鋳造メーカー・株式会社キャステム。その新規事業本部「IRON_FACTORY」の池田さんが精巧に作られた悪魔将軍のマスクを被り、SNSに登場して注目を集めています。
キャステムではこれまで、「キン肉マン」に登場するマスクのリアル化に挑戦しています。種類は「ロビンマスク」と、今回注目された「悪魔将軍」。どちらも発売当初から話題になり、SNSでは度々みかける商品です。
ところが「ロビンマスクは結構知られているのに、悪魔将軍はほとんど知られてないんです」と、X(Twitter)に投稿した池田さん。投稿された写真には、悪魔将軍のマスクを被ってヒジをつきながらイスに座っている姿が写っており、キャラクターの雰囲気がたっぷり出ています。
この悪魔将軍のマスクはモース硬度4のステンレス製で重量が約10kgあり、鏡面は職人の手作業で磨かれているのだとか。「ちょっとでも魅力を感じたらRTお願いします」と呼び掛けています。
現在、通販サイトで発送までに3か月かかるものの税込22万円で販売されている悪魔将軍のマスク。先述のとおりロビンマスクと同様に話題になったこともあり、じゅうぶん知られていると思うのですが……。
あらためて池田さんに悪魔将軍のマスクについて、こだわりなど詳しくうかがいました。
―― 悪魔将軍のマスクは、いつ頃作ったものでしょうか?作った経緯なども教えてください。
2019年1月に発売させて頂きました。第1弾の鋼製ロビンマスクが大好評であったため(2018年7月に発売してから現在300体以上売れています)、第2弾の商品化を考えました。
悪魔将軍は「キン肉マン」の中でも特に人気超人です。硬さを自由自在に変えることができるという能力に着目し、本物の鋼製(モース硬度4)の悪魔将軍のマスクを商品化しました。
―― 「モース硬度4」というのは、どれほどの硬さなのでしょうか?
鋼の一種である「ステンレス鋼」で製作しています。ステンレスでできた物は身の回りにもたくさん存在すると思いますので、それと同じ硬さになります。
―― 悪魔将軍のマスクは、どのようにして製造されたのでしょうか?
弊社のロストワックス製法で製作しております。また、開発期間は半年くらいでした。
(ロストワックス製法とは簡単に言うと、溶けた金属を型に流して作る「鋳造」。ただし、株式会社キャステムの鋳造法は「精密鋳造」と呼ばれており、通常の鋳物より精度が高く綺麗に金属化されるそうです)
―― 悪魔将軍のマスクを作る上で大変だったことやこだわった点などを教えてください。
悪魔将軍は硬さを自由自在に変えることのできる能力を持っているものの、作中では「ダイヤモンド」でできているという設定が有名です。
そのため「何とかダイヤモンドでできているという設定を再現できないか」、「でもさすがにダイヤモンドで作ることはできない、どうしよう」という大きな葛藤に陥りました。
最終的にGoogleで検索してたどり着いたのが、鯖江市にあるアイテックさん。表面にナノダイヤモンドをメッキで付ける特許技術を持たれていました。
アイテックさんと協力して完成させた「ダイヤモンドパワーVer.」は、3体限定100万円で販売したのですが発売後5日で完売致しました。
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日本の職人の技術を結集させて作られた悪魔将軍のマスク。実際に被ってみたくなった人も多いのではないでしょうか。ただし、重量が約10kgあるので首を鍛えるところから始めた方が良いかもしれませんね。
<記事化協力>
IRON FACTORY IKEDAさん(@IRON_IKEDA)
(佐藤圭亮)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮 | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2024042201.html