かっぱ寿司といえば、低価格の寿司と、たびたび実施されるキャンペーンやコラボレーションが魅力的です。その中で特に力を入れているのは意外にも「ラーメン」。

 寿司屋でラーメン?と思うかもしれないのですが、ラーメンのスープである「魚介スープ」は、もちろん「魚」から取られ、魚を扱う「かっぱ寿司」であれば自ずと納得がいきます。

 しかし、今回のコラボレーションは、魚介ではなく「醤油豚骨」である「横浜家系ラーメン」。一体どういう経緯があったのでしょうか。

■ 横浜家系ラーメンとは

 横浜家系ラーメンは、神奈川県横浜市発祥の豚骨醤油ベースのラーメン。太いストレート麺を使用し、トッピングは、ほうれん草、チャーシュー、海苔などで構成されます。また店名には「○○家」と付くので店の名前で「家系ラーメン」とわかることも多いのです。

 そんな家系総本山「吉村家」が、ついに「かっぱ寿司」とコラボ。かっぱ寿司の「本格ラーメンシリーズ」第25弾として、6月28日より「横浜家系ラーメン」を販売しています。

 いやいや、もうラーメンと寿司全く関係ないじゃん……と思うのかもしれませんが、実は意外なつながりもあるようです。その話は後述するとして、早速かっぱ寿司に行って、「かっぱ寿司版の横浜家系ラーメン」を食べてみます。

■ 横浜家系ラーメンを注文してみる

 席につくと、タッチパネルでお目当ての「横浜家系ラーメン」(539円:税込)を注文。かっぱ寿司で販売されている今回の「横浜家系ラーメン」は、吉村家が監修したもの。とはいえ、吉村屋で出されている商品そのものというわけではありません。かっぱ寿司で出すにあたり、何かしらの調整が行われているはずです。どういう違いがあるのか気になります。

 待っている間にせっかくなので「寿司」を注文。「寿司」と「ラーメン」というよく考えればものすごい贅沢なコンビネーション。

 待つこと数分「横浜家系ラーメン」登場。なんと店員が運んでくるのではなく、寿司と同じく「レーン」で運ばれてくるスタイルでした。

 トッピングは、ほうれん草・焼き豚、海苔などのシンプルな構成。横浜家系の店によっては「たまご」「うずらのたまご」などが加えられている店もありますね。

 なお、「のり」「胡椒」がついてきますので、好みでのせます。

 匂いは確かに「横浜家系」独特の醤油豚骨。寿司屋ではありえない香りが漂います。そして麺もごく太。実はこの麺、かっぱ寿司オリジナルの「もちもち極太麺」。

 「焼き豚」は、若干ペラペラ感がありますが、寿司屋であり、この価格帯ということもあり、この辺は企業努力として察しましょう。

 では食べていきます。麺は、たしかに横浜家系独特の、モチモチとした食感。スープもさすが吉村家監修ということもあり、横浜家系ラーメン独特の豚骨醤油。後味にガツンと「ニンニク」が効いてきます。

 ただ、どこか物足りなさは感じます。たしかに「横浜家系ラーメン」ではあるものの、それを模したラーメンであり、そこからプラスアルファ、何か特別な要素が加わった特徴的なラーメン……とまでは行かず、万人受けしそうな味わい。

 うまいはうまいが……という感じ。家系ファンにとっては物足りない、でもそれ以外の一般的な回転寿司ユーザーにとっては満足できる味といったところ。

 さて、せっかく「かっぱ寿司」に来たので、一緒に頼んだ「ブリ」をトッピングするというチャレンジも試してみました。

 ラーメンスープの熱でシャブシャブして、「ブリしゃぶ豚骨醤油味」。味の方は……、うんブリしゃぶの味です。ある意味「魚介豚骨スープ」となるわけですが、意外にも「寿司」と「ラーメン」を一緒に食べると旨いことが判明。是非両方頼んでほしい。

■ なぜ「横浜家系ラーメン」とコラボ?

 では最初の話に戻りますが、「家系総本山 吉村家」がなぜかっぱ寿司と今回コラボしたのか。実は、両者の本社所在地にヒミツがあります。「家系総本山 吉村家」は当然ながら「横浜」にあります。そしてかっぱ寿司の本社「コロワイドグループ」も、なんと横浜。

 コロナ禍で外食産業全体が苦しかったなか、「同じ横浜の仲間」として今回かっぱ寿司とのコラボを快諾したとのことです。

 なお、かっぱ寿司の「横浜家系ラーメン」販売期間は6月28日~8月31日。家系ファンにとっては「味の確認に」、家系を食べたことがない・近くに店舗がないという家系ビギナーは入門版として食べてみるといいでしょう。それぞれ違った発見があると思いますよ。

<参考>
かっぱ寿司「本格ラーメンシリーズ」第25弾、「家系総本山 吉村家」監修 濃厚豚骨醤油・極太麺などで体現『横浜家系ラーメン』登場

(たまちゃん)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 何故にかっぱ寿司で「家系ラーメン」?実際に食べて寿司との相性たしかめてみた