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名古屋グルメといえば「味噌カツ」「台湾ラーメン」そして「あんかけスパ」です。名古屋に8年間住んでいた筆者にとって「あんかけスパ」は非常に馴染み深いものであり、定期的に食べたくなります。
ところが、そんな「あんかけスパ」は、名古屋以外では当然ながらそんなに食べられておらず、まれに「名古屋グルメ」としてコンビニや喫茶店で販売されるも「ちょっと違う」と感じる物足りなさがあります。
そこで今回は「ザ・あんかけスパ」と人気の、名古屋「あんかけ太郎」の「あんかけスパ」を紹介。実はかねてからウワサは耳にしつつも、筆者も「あんかけ太郎」のあんかけスパを食べるのが今回が初。果たしてその味は本物なのか?一緒に確認していきます。
はじめて耳にする人のために「あんかけスパ」について軽く説明。
「あんかけスパ」とは、名前だけ聞くと単に「中華風味なメニュー」を想像してしまいがちですが、実際は麺をたっぷりのラードで炒め、「トマトベースのスパイシーなあん」がかかっているのが特徴。
また麺は非常に太く、極太2.2mmのものなどを使います。ポジション的には、名古屋のB級グルメという位置づけです。
そのため、提供される際には決して「パスタ」のような「オシャレ感」はなく、どちらかというと見た目のインパクトが強い「ジャンクフード」といった感じ。
しかし、この「あんかけスパ」を名古屋以外の地域で食べると、どうしても「パスタ」というカテゴリ上「オシャレ感」が出てしまい、本家のようなコッテコテの「ジャンクフード感」が軽減してしまうのが残念なところです……。
ということで、他県の方には一つの指針にしていただくべく今回選んだお店が「あんかけ太郎」。
筆者が食べたことが無かった店舗であることも紹介の理由にはありますが、なによりずっとウワサを耳にしていたほどの人気店。さらにいうと名古屋市内で5店舗を展開しているため、他県から来た方でも訪れやすいだろう……という点から今回選びました。
訪問したのは、久しぶりに名古屋を訪れたタイミング。店舗は市内5店あるうちの名駅地下にある「サンロード店」です。
入り口にメニュー看板。これぞ「あんかけスパ」といったメニューがズラリ。中でも筆者好みの「ピカタ」(豚肉と玉子を炒めたもの)があるという点は高得点。「ピカタ」がメニューにない店も結構あるんです。
冒頭で「本物なのか?」と煽っておきながら、食べる前に結論を出すのは大変申し訳ありませんが、元名古屋人から言わせると「この時点で店の評価は高く“本物”である」と言える一つのポイントです。
メニューはオーソドックスな、野菜・肉トッピングの「ミラカン」、野菜トッピングの「カントリー」、ほうれん草などが入った「ポパイ」から、「台湾ラーメン」ならぬ「台湾スパ」など変わったものまで並びます。(編集部註:「あんかけスパ」は具材によってメニュー名が変化します)
だがしかし!今回注文するのは迷わず「ピカタ」一択。サイズはスモール(800円:税込)〜メガ(1200円:税込)まであり、「目玉焼き」や「ベーコン」といったトッピングも可能。
注文方法は卓上のQRコードにアクセスし注文するというハイテクぶり。
しばらくすると、あんかけスパの「ピカタ」登場。もはやパスタがメインなのか、玉子がメインなのか、それとも手前にある液体(あん)がメインなのかよくわからないこの風貌。これぞ「あんかけスパ」の真骨頂!!
さて、「あんかけスパ」の味わいですが……名前からくる想像だと「甘酸っぱい」だけのイメージがあるかもしれませんが、実はスパイシーさが特徴。食べる前には、好みでコショウを追加します。
ちなみに食べるときはフォークを使用。フォークはたいてい、白い紙ナプキンが巻きつけてあります。
なお「あんかけ太郎」では、「スープ」が1杯目は無料というお得さ。味はコンソメのオニオン味。
そしてピカタは「玉子」と「豚肉」なので、玉子を砕いてみると中から「豚肉」がぴょっこり登場します。あんと絡めて食べるとなお美味しい。
では「あん」をチェックしていきます。名古屋以外の地域で販売されている「あんかけスパ」は、この「あん」の濃さが若干弱く、シャビシャビ感あるのが気になる点。しかし「あんかけ太郎」は、さ・す・が。
もはやフォークで持ち上がるんじゃないかと思えるぐらいの「デロッ」。良い、これは良い!!
そして麺も極太。持ちごたえがあって、オシャレ感は一切ない、妥協のないパスタ。これもすばらしい……。久しぶりにここまで完璧な「あんかけパスタ」を食べるかも。思わず感動で目がにじみます。
感動で泣いてもいられないので、さっそく食べていきます。
一口食べると、なんとも懐かしい「あんかけスパ」の味。これです、この独特のスパイシーさと、腹持ちの良い麺。そして「ピカタ」のジューシーさがなんとも言えない。
あんかけスパ独特のスパイシーさもあり、よくある「あんかけ〜風」といった、なんちゃって感は一切ない、ザ・名古屋飯というべき料理。ただし、他店と比べるとスパイシーさは若干控えめだと感じました。このへんは好みによって分かれる点ではあると思いますが、そこはコショウで調整可。
もちろんこれは「あんかけスパ」として「合格」。逆にこれをあんかけスパと言わずして、なんと言うかというレベル。
そして肝心なのは、最後食べたあとの皿。あんかけスパの「あん」は、どうしても最後「油」でギトギトになりがちですが、「あんかけ太郎」の「あん」は、最後までそのまま。非常に食べやすいという点はかなり高得点。
ただ……名古屋飯は独特すぎてどうしても受け入れられにくいというのは正直理解しています。が、ゆえに是非とも名古屋に来たら「ひつまぶし」「味噌カツ」「きしめん」と同じレベルで「あんかけスパ」を食べてもらいたい。マジでハマると思うよ!!
<参考>
あんかけ太郎
※掲載情報は記事公開時点のものです。
(たまちゃん)