赤ちゃんを連れての実家帰省。久しぶりの祖父母との対面で赤ちゃんが泣いてしまうこともしばしば。帰省時に子どもがなかなか泣き止まず、気まずい思いをしたことがあるのは私だけではないはずです。

 そこで今回は、保育士資格を持ち、3児の母でもある筆者が、帰省時に赤ちゃんが実家で泣いてしまう理由を解説。対処法をまとめました。

■ 赤ちゃんが泣いてしまうときのキーワードは「安心感」

 そもそも、赤ちゃんが泣いてしまうのはしかたのないこと。でも、出来るだけ早く笑顔を見たいし、祖父母にも懐いてほしいものです。そこで大切なのは、赤ちゃんに家にいるときと同じような気持ちになってもらうことです。

 自宅は、赤ちゃんにとって一番居心地の良い場所。「場所見知り」といった言葉があるように、赤ちゃんは「人」だけでなく、「場所」に対しても警戒心を覚えます。この「人」と「場所」への不安を取り除き、安心感を与えることができれば、心が安定しいつもの笑顔が取り戻せるはず。次から具体的な対策を紹介していきます。

■ 赤ちゃんが泣くのは、非日常による「不安」が原因

 赤ちゃんにとっての実家帰省は、人も場所もいつもと違う非日常。実家とはいえ、知らない人に知らない場所で出会うことに対し、警戒心や不安を抱いても不思議ではありません。特に、人見知りが顕著にあらわれる生後6か月頃には、泣くのが当たり前。成長の過程だとポジティブに捉え、周りにも理解を求めましょう。

 また、赤ちゃんは、ママの「気持ち」も敏感に感じ取りやすいため、ママの「不安」や「緊張」などのストレスが要因なことも。帰省時は、赤ちゃんばかりに気を取られがちですが、ママがストレスを感じないよう、パパにも協力を仰ぎ、心にゆとりを持つと良いでしょう。

■ お気に入りの玩具を持っていく

 祖父母が用意してくれた玩具も魅力的ですが、環境に慣れるまでは、いつも遊んでいる玩具が落ち着くことがあります。しばらくすると、お気に入りの玩具はそっちのけで、違うもので遊び始めるかもしれません。

■ いつもの寝具を持参する

 お昼寝セットやブランケット、毛布など、いつもの匂いを感じられる寝具を持参しましょう。夜はママやパパと一緒に寝るため安心感がありますが、お昼寝の際には、いつもと違う環境の中でぐっすり眠れないことも。荷物になるようであれば、一緒に寝ているぬいぐるみでも代用できます。

■ 生活リズムを崩さない

 食事の時間、就寝の時間、お風呂の時間など、毎日の生活リズムをなるべく崩さないように心がけましょう。生活リズムが崩れると、「眠い」、「おなかがすいた」などの理由で赤ちゃんの機嫌が悪くなってしまいますよね。

 とはいえ、帰省中に日常の生活リズムを保つのは難しいこともあると思います。パパやママのストレスにならない程度に、赤ちゃんの生活リズムを守ってあげましょう。

■ 祖父母との仲の良さをアピール

 子どもは、知らない人に遭遇すると、「この人誰だろう?怖いかな?」と警戒します。赤ちゃんでも、分かりやすく警戒心が顔に出る子も多いですよね。そんなときに、ママが楽しそうに会話をしていると、「この人は味方!」と認識し、人見知りの解消につながることも。

 祖父母と楽しく話しながら、赤ちゃんの表情を観察してみてください。時間の経過とともに、警戒心が取れて表情が柔らかくなってくるはずです。

■ 帰省時に泣いてしまっても大丈夫!赤ちゃんが慣れるまでゆっくり見守ろう

 人見知り、場所見知りには個人差があり、全く物怖じしない子から、慣れるまでに何日もかかる子まで様々。赤ちゃんが不安な状態のまま、祖父母が無理に関わろうとすると逆効果になることも。無理強いをせず、慣れるまではゆったりとした気持ちで見守りましょう。

(一柳 ひとみ)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 帰省した赤ちゃんが実家で泣く理由とは?対処法を保育士が解説