今年も様々なクリスマスケーキがSNSを彩り、多くの人の目を楽しませました。もちろんケーキばかりでなく、それをモチーフにした数々のアート作品も生まれています。

 イラストレーターの無た。さんはクリスマスケーキをモチーフに、ご自身の作品コンセプト「ダークでかわいい」を表現。恐ろしくも可愛げのある立体作品をTwitterに投稿しました。

 無た。さんの作品は、ダークホラーな世界観の中にも可愛さが滲み出るのが特徴。イラストでも立体作品を思わせるようなモチーフもあり、造形的なセンスも光ります。

 今回の「クリスマスケーキ」は、そんな無た。さんの作品世界に登場しそうなスイーツが立体化したもの。美味しそうなスイーツとしてだけでなく、形の違う2か所の口が開いたり閉じたりと、今にもうごめきそうな動感もある作品となっています。

 ケーキの土台になっているのは、100円ショップで調達した紙粘土。これを2段重ね、デコレーションしています。クリームの質感を再現するため、黒い紙粘土に水を加えて流動感を出し、実際にホイップクリーム用の絞り袋に入れてデコレーションしているのだとか。

 トッピングされたマカロンやイチゴ、丸い口から伸びる舌など、大部分は紙粘土による造形とのこと。舌はヌメっとした生の質感を出すため、ツヤだしニスを上塗りして仕上げられています。

 歯の部分はエナメル質の透明感あるツヤを表現するため、樹脂粘土で作られているんだそう。牙のように尖り、今にもうようよと動き出しそうに見えます。

 約8時間かけて仕上げたという、このクリスマスケーキ。Twitterでは本物と見間違えた方もいたようで、無た。さんは次のように語ってくれました。

 「この作品はすべてフェイク素材で作られていて、本物のケーキの素材は一切使用しておりません。そのため、いまは私の部屋でオブジェとして保管されており、半永久的に姿形を残すことが出来るのもまた魅力です」

 今にも動き出し、食べる人を逆に捕食してしまいそうなクリスマスケーキ。少し恐ろしいですが、ほかのパターンも見てみたい気になりますね。

<記事化協力>
無た。さん(@gestart333)

(咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 ダークでロマンチックなクリスマスケーキはいかが? 本物そっくりな立体作品