「ここだけ見てたらお菓子準備してる様には見えないかも」と、Twitterに投稿されたのは、虹色に輝く透明な和菓子。

 1821年(文政四年)創業。八代200年の歴史を持つ山形県の老舗和菓子屋「乃し梅本舗 佐藤屋」では、伝統ある和菓子の面白さを見直してもらいたいと、梅や寒天を使った新しいお菓子を提案しています。

 その取り組みの一つとして生まれたのが、今回の「虹ノムコウ」と銘されたカラフルな和菓子。

 佐藤屋の八代目に詳しくうかがうと、この「虹ノムコウ」は依頼があって作られた特注品とのこと。一般販売はされていませんが、もし販売するとしたら、切り分けた形で300円~、棹菓子として1500円程度を考えている、と教えてくださいました。

 「虹ノムコウ」の材料は砂糖、寒天、ジンジャーオイルと食紅。透明な気泡を抱き込ませながら冷まして型に流し込み、色づけした寒天をグラデーションになるように流し込んで作っています。特に3色のグラデーションを表現するために、混ざりすぎないよう「温度管理する部分が難しい」そうです。

 「虹ノムコウ」には、元になっている「空ノムコウ」というお菓子があります。こちらは青いグラデーションとなっており、まるで夜空を思わせる綺麗な和菓子です。

 佐藤屋では、「和菓子をちょっと自由に」をモットーにしており、伝統の縛りのある中で、ほんの少し目線を変えることで見えて来る楽しみを大事にしているとのことです。

<記事化協力>
乃し梅本舗 佐藤屋さん(@noshiumesatoya)

(清水野明香)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 和菓子にみえない「虹ノムコウ」 山形の老舗和菓子屋が提案する「和菓子をちょっと自由に」