小田急電鉄の「白いロマンスカー」ことVSE50000形。2023年秋頃のラストランを前に、2022年10月1日以降の日程で1編成丸ごと貸切運行できる「ロマンスカー・VSE貸切プラン」が、7月25日より受付開始となりました。第1弾は2023年3月31日運行分まで。



 小田急を代表する特急車両として、2005年にデビューしたロマンスカー50000形VSE車。建築家の岡部憲明さんがデザインを担当し、車内にアーチ形のヴォールト(Vault)天井を採用したことから、VSE(Vault Super Express)の愛称が付けられました。


 小田急ロマンスカー伝統の連接車を採用したVSE。しかし従来に比べて特殊な構造を各所に採用した影響で車両の補修・更新が難しく、老朽化から2022年3月で定期運用から外れ、2023年秋頃のラストランまではイベント列車での運行に限られています。


 今回の「ロマンスカー・VSE貸切プラン」はラストランまでの間、VSEで過ごす時間を大切な思い出として残してほしいとの考えから企画されたもの。イベント列車としての運行日などを除き、原則3か月前までの申込により1編成丸ごと貸し切って利用することが可能です。



 車中では車内マイクを使ったコミュニケーションや、編成両端部の展望席をラウンジ仕様にするなど、貸切列車ならではの楽しみ方が可能。鉄道ファンのイベントや企業の懇親会、結婚式や同窓会といった幅広い活用が想定されます。


 運行するコースは平日・土休日とも2種類。新宿発着で秦野から新百合ヶ丘車庫線を経由して唐木田車庫(喜多見検車区唐木田出張所)までを3~4時間かけて往復するコースと、新宿発で大野総合車両所を経由して小田原に向かう約2時間を楽しめるコースがあり、要望に合わせて選択でき、各コースそれぞれ250名まで利用できます。



A:小田急線周遊プラン(新宿~秦野~新百合ヶ丘車庫線~唐木田車庫~新宿)

料金:税込142万円

(平日1)新宿11時40分発~新宿15時22分着

(土休日2)新宿8時42分発~新宿13時01分着

(土休日2)新宿11時40分発~新宿15時41分着


B:小田原行プラン(新宿~大野総合車両所~小田原)

料金:税込96万円

(平日1)新宿11時40分発~小田原13時58分着

(土休日2)新宿8時42分発~小田原11時09分着

(土休日2)新宿11時40分発~小田原13時53分着


 申し込みは2022年7月25日15時より、小田急旅の予約サイト「特急ロマンスカー・VSE(50000形)貸切プラン」特設ページにて受付。申し込み条件を確認の上、申し込むようにしてください。なお、小田急でも旅の目的・用途を確認するとのことです。


情報提供:小田急電鉄株式会社


(咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 引退間近のロマンスカーVSEを貸し切りしませんか? 小田急がプラン受付開始