京都市東山区にある三十三間堂に安置されている「風神雷神像」。風をおこす袋を背負った風神と、雷を鳴らす太鼓をもった雷神の姿が印象的です。

 そんな風神雷神がもしもカエルだったら……?ユニークな発想を形にした粘土作品が、ツイッターで注目を集めています。元の風神雷神像と比べると、ずいぶん小さくなった姿に、愛らしさを感じずにはいられません。

 風ガエル、雷ガエルを制作したのは、ツイッターユーザーのかずたそカンパニーさん。自然の中で暮らす動物たちが時折見せる、「人間らしさ」をより多くの人に身近に感じてもらうことを目的に、フィギュア制作を行っています。

 その中でも、カエルは特にお気に入り。尻尾をもたないカエルは、かずたそカンパニーさんが求める表現に適しており、過去にも多くの人間のような所作を見せるカエルのフィギュアを手掛けてきました。

 今回、新作のモチーフとして風神雷神像を選んだのは、10月29日・30日に京都で開催される「いきもにあ2022」に出展が決まったため。カエル+人間らしさ+京都、と発想した時に、三十三間堂にある「風神雷神像」が思い浮かんだのだそうです。

 制作の中で特にこだわったのは、風神雷神像の構図に出来るだけ近づけること。実際に三十三間堂に足を運び、実物の研究を重ねたという本作。風神は袋を抱えるようなポーズ、雷神は太鼓を鳴らさんと両手をあげた躍動感のあるポーズが、カエルの姿になっても見事に再現されています。

 完成した作品を見て、「元の風神雷神像より、かなり愛らしくなったことに驚きました」と、かずたそカンパニーさん自身も元の風神雷神像からの変貌ぶりにびっくり。

 「どんな絵や像であれカエル化すると、とたんにかわいくなってしまう。これもカエルの魅力のひとつなのだと再認識しました」と、その出来栄えについて満足げに話してくれました。

 なお、彩色はこれから行っていく予定とのこと。10月の展示の際にはきっと、よりかわいらしさに加え、荘厳さを増した「風ガエル」「雷ガエル」の姿が見られることでしょう。

 ツイッターへの投稿には「めちゃくちゃかわいい!」「これは欲しい」と、作品のクオリティに対するコメントの他、「風や雷をおこさず、ひたすら雨だけを降らせそう」と、実際にこんな神様がいたら……を想像するような声も寄せられています。

<記事化協力>
かずたそカンパニーさん(@kazutasocompany)

(山口弘剛)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 荘厳なたたずまいの風神雷神像がカエルに変身!愛嬌たっぷりの姿に