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アメリカ海軍は2022年2月7日(現地時間)、地中海においてアメリカ、フランス、イタリアの空母打撃群が2月6日・7日に共同訓練を実施したと発表しました。
地中海では2月4日まで、NATO加盟国を中心にした大規模な海上演習も行われており、ウクライナの情勢をにらみ、NATO加盟国間での連携強化が進んでいます。
訓練に参加したのは、アメリカの空母ハリー・S・トルーマン、フランスの空母シャルル・ド・ゴール、イタリアの軽空母カヴール。このうち空母トルーマンと軽空母カヴールは2月4日まで、NATOを中心とした大規模共同演習「ネプチューン・ストライク」に参加していました。
また、フランスの空母シャルル・ド・ゴールは遠征任務「クレマンソー22」のため、2月1日に母港トゥーロンを出港。フランスのほか、アメリカの駆逐艦ロス、スペインのフリゲート「フアン・デ・ボルボン」、ギリシャのフリゲート「アドリアス」らをともない、北アフリカ諸国海軍との共同訓練を重ねてきました。
ハリー・S・トルーマン空母打撃群司令官のカート・レンショー少将は「アメリカの空母打撃群の能力は、同盟・パートナー諸国と任務に従事することで、さらに強化されています。今回、イタリアとフランスの空母打撃群と訓練することは、私たちの相互運用性をさらに強化するチャンスです」と、3か国の空母打撃群が共同訓練する意義を強調しています。
イタリアの空母打撃群司令官、ヴィンチェンツォ・モンタナロ少将は「最重要のパートナーと私たちの能力を向上させ、同盟の強さを示すのは大きな喜びです。空母打撃群を運用可能な国は数少なく、今回の訓練はハイレベルの統合作戦環境を実現できる貴重な機会です」との談話をアメリカ海軍を通じて発表しています。
フランス海軍の空母打撃群、第473任務部隊司令官のクリストフ・クリュゼル少将は「私たちが所属するNATO加盟国部隊と航行することは、今回の『クレマンソー22』における第1の目的です。ヨーロッパの戦略上重要な地域であるここにおいて、NATOと私たちの能力を拡大し、相互運用性を高めることは非常に重要なのです」と、アメリカ海軍を通じてコメントしました。
訓練終了後、3か国の空母打撃群はそれぞれ地中海にとどまり、この地域における有事に備えて訓練を続ける予定。フランスの空母シャルル・ド・ゴールは、地中海側から中東の対テロ作戦も実施することになっています。
<出典・引用>
アメリカ海軍 ニュースリリース
画像:U.S.Navy/フランス軍事省
(咲村珠樹)